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聖なる旅


阿蘇・宇佐 編

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2002.9.18〜9.20


9月 19日 (後編)
 一気に阿蘇山に向かった。目指すは、中岳。 阿蘇の火口の大きさは、世界最大。古代人からは、巨大な聖域として崇められていた形跡がある。肥後国風土記逸文でも、阿蘇中岳を「閼宗(あそ)の神宮」と呼んでいる。阿蘇は、日本の代表的な火山として中国にまで知られ、古代から何か宗教的な儀式が行われていたともいわれているそうだ。小学校の修学旅行で火口付近まで来た憶えがある。九州に住むようになってからは、まだ一度も火口まで来たことがない。いつか見たいと思っていた。ただ、今回は時間的にも行けるかどうかわからなかった。その時の流れで決めることにした。そして、中岳へ向かった。ところが、ガスのためゲートは閉じられていた。ガガ〜ン。この旅に出る前に、阿蘇の火口の前に立つ姿が映っていたのに。 阿蘇の火口が私たちを呼んでくれていると思った。今はまだ時期ではないってことかな。がっかりしたけど、仕方ない。でも、そのすぐ麓までは来れたのだから、一歩近づいたってこと。ここから感じるエネルギーでも充分だろう。 そう思いながら、観音さまのいるお寺と山上神社を周っていた。その間に、Hiroくんが従業員に尋ねてくれていた。風向きで変わることがあるから、あと20分ぐらい待ってみて、それでもダメだったら、今日はあきらめたほうがいいかも、と言われたそうだ。じゃあ、まだ可能性があるってことね。あきらめていたところに希望の光りがキラリ。(^^) 空に向かって、龍神さまにお願いしてみる。「もし本当に必要ならば・・・私たちにとってそれが最善になるのなら、風向きを変え、火口まで行かせてほしい。」 タイムリミットは20分!私たちもそれ以上待つと、あとの予定が厳しくなる。 後は、お任せして待ってみた。そうして時間も過ぎた頃、まだ動きそうな気配がなかったので、最後にゲート横の事務所まで行ってみた。「まだ無理ですか?」 電話をして確認を取ってくれた後、「今から開けます。」の声。ヤッター!! みんなのところに走って戻った。開いたよ〜♪ 車に飛び乗って、火口へまっしぐら。 さすが! またまたやってくれました。ありがとうございま〜す。(^^)
 車から降りると、硫黄のにおいがプーン。ガスの濃度や風向きによっては命の危険もあることから、常に監視して規制されているそうだ。周囲にはガスの避難壕もあった。火口の前で、観光客に有料で説明している人もいた。硫黄の石も売られていた。それが、きれいなレモンイエローで、クリスタルのように太陽に当たるとキラキラ光っている。すっかり気に入って、早速お土産に買った。
 第一墳火口の中を見て、思わず歓声をあげた。火口の中は、エメラルドグリーン。火口がこんなきれいな色をしていたなんて。今まで想像もつかなかった。あまりの美しさに、驚きと感動。直径600m 深さ130m。溜まった雨水に鉄と硫黄が混じって、この色になるそうだ。通りかかった管理のおじさんが立ち止まって、私たちに詳しく説明してくれた。 いくら天気が良くても風向きが全てで、こんな奥まできれいに火口が見えることは滅多にないそうだ。(噴煙で真っ白になることが多い) 今朝の雲海じゃないけど、何度来ても見れないこともあるとか。それに、普通は白い噴煙だが、この時は青白い噴煙になっていて、それも珍しいそうだった。「今日は最高の風向きだよ。みんな運がいいね〜。」と言われた。 一同またまたにっこり。v(^^)v  阿蘇の火口そのものが御神体になっている。感謝も込めて、火口に向かって五十鈴を振った。 噴煙が風でゆらゆら揺れていたが、すっと立ち昇った。シャスタを離れるときに、見送りに現れた雲に似ていた。神秘的だが、同時に大自然の息吹とパワーを感じる。確かに生きている。静かだけれど、この中には力強い生命が宿っている。そして、美しい。火のパワーだけでなく、水のエネルギーと交わっている。阿蘇山というと、力強いイメージから男性のエネルギーを感じていたが、この火口を見て意識が変わった。火口は女性そのものを象徴していた。生命を司る聖なる場所。私は、その美しさと神聖さに強く惹かれていた。
 噴火口は全部で7つある。最後に見た噴火口は、ゴールドがかった色。ちょうど第一噴火口の向かいにある。エメラルドグリーンとゴールドはペルーの象徴だと、クイチから聞いていた。(やっぱりペルー!) ここは、一体どこなの? 辺りを見回すと、まるでグランドキャニオンにでもいるみたい。大地のパワーに圧倒され、感動した。私には衝撃的だった。 そこに、小さくて黄色い蝶々が飛んできた。花もないのに、なぜこんなところに!? (行く先々に同じ種類の蝶々が現れていた) 










 火口を守っている存在たちに、感謝と別れを告げ、次の目的地である阿蘇神社へ。私は三度目の参拝。前回来たのは、今年の元旦だった。ここの主祭神も健磐龍命(タケイワタツノミコト)だった。今回の旅で、何度この名前に出会ったことか。帰ってからも気になって、少し調べてみると・・・健磐龍命は神武天皇の御孫になり、最初阿蘇火口に立つ巨石だったが、その後 農耕神の性格が与えられ、さらに白川・黒川の水源としての水神も付加されたと言われているそうだ。やはりご縁があったみたい。今回は、いろいろお世話になりました。この地には素晴らしい神々が住まわれており、全国各地からも神々が訪ねてくるという。ここではバイタリティも授けて下さるそうで、(私にも必要だわ〜)  それは巨大な龍王が三体お鎮まりになっているからだそうだ。
 境内をひと廻りして、ご挨拶した後、願い石を見つけた。Kayoちゃんも、この石には凄いパワーを感じると言っていた。その横に高砂の松の木があり、その周囲を回ると良い縁が結ばれると言われているらしい。前にも柾至と試したことがあるが、今回は回り始めた途端に、足元からビリビリと強いエネルギーを感じた。何なに〜、何か来てるよ〜。そこで思わず、朝食に出たハート形の卵焼きを思い出した。(笑) シャスタツアーでのハートのメッセージが、まだ続いているみたい♪ 
 これも帰ってから聞いた話だが、阿蘇の五岳である涅槃像(寝観音)を拝めば、神霊は受けてくださるのだという。(五岳は、この旅のキーになっていた) また阿蘇には、ヨーロッパ神界や中国神仙界に通ずる入り口が各所にあって、豊穣なる神徳を九州と日本全土に発しているそうだ。 阿蘇山 バンザーイ!!
 これで、今日の訪問はおしまい。この時、まだお昼を少し過ぎたくらいだったが、みんなは日の出から始まったイベント続きにすっかり満たされ、お腹一杯だったようだ。(笑) その一つだけでも、旅のメインになりそうなのに、中味が濃かった〜の声。このペースにすっかり慣らされている私は、まだまだこれからよ!って感じだったが、今回はこれぐらいにしておきましょう。(^^) 

 この時はまだ、どこに泊まるか決めていなかった。明日は宇佐に行くから、大分の辺りで泊まろうかと考えていた。まだ時間があったので、HiroくんとKayoちゃんお薦めの黒川に寄ってみることに。黒川には温泉があって、ここ数年ですっかり有名になったところ。湯布院は軽井沢のような感じで、すっかり観光地化されているが、黒川はまだ静かで大人の通タイプに人気なのだそうだ。いつかは行ってみたいと思っていたが、なかなか遊びだけでは行く暇がなかった。それが思わぬところで、行けることになった。
 温泉街に入って思わず、きゃ〜と声をあげたくなった。奥深い山の中に、静かに立ち並ぶ温泉宿。ウトウトしていた私の目もパッチリ!一度訪れると、夢中になるという黒川。その理由が、ようやくわかった。隠れ宿のようなひっそりとした場所に、昔の雰囲気を残して品よく建てられた温泉宿。こんなに素敵な場所だったとは! 日本に生まれて良かった。(^^) とりあえず車を停めて、この後の予定の打ち合わせ。豆腐料理のお店に入り、お豆腐のお好み焼きや、豆腐アイス・豆腐プリン・おからのケーキなどを、みんなでシェア。Kayoちゃんは残念ながら、今日の夜の飛行機で帰らなければいけなかった。相談の結果、Hiroくんが日田まで送っていくことになり、残りの3人はこのまま黒川に泊まることに。お宿のマップを見ながら、どこにしようかと考えた。20件以上ある中で、名前の雰囲気で選んだ。ところがすでに一杯。何と予約は、3〜4ヶ月前には一杯だという。えっ、うそ!この日は平日なのに。もしかして、ヤバイかも。慌てて温泉組合に行って聞いてみた。すると、空いているのは、たったの2軒だけ。どっちにするか、また名前の響きで選んだ。予約の電話を入れてもらうと、たった今、部屋が塞がったとのこと。ひえ〜! 仕方ない、最後の一軒になった。「御客屋旅館」というところ。う〜ん、名前の感じではイマイチだが、そんなことも言ってられない。車一台がやっと通れるという路地裏を通り、お宿の前へ。あらあら、思ったより素敵。昔ながらの佇まいで、なかなかいい雰囲気。ここで、Kayoちゃんともお別れ。この旅で初めて知り合ったけれど、お話していたら知っている人もたくさんいて、一杯シンクロしていた。最後には、みんなでペルーに行こうなんて話まで。帰ったらPC買って、私のHPも見てくれるって。ここで一人だけ見送るのは淋しいけれど、またすぐ会えるよね♪
 この日唯一空いていたお部屋って、どんなところかと思っていたが、通されて中に入ると、「きゃ〜、素敵!」と3人の声。私たちだけでは勿体無いくらいの広さ。太陽の光りがお部屋いっぱいに降りそそいでいて、Welcome してくれていた。すぐ横には川が流れていて、せせらぎの音が心地良い。黒川の宿は、数ヶ月前から予約で一杯になってしまうそうだった。人気があるのは知っていたが、まさかこれほどとは・・・。平日なら当然空いていると思っていたが、それはとんでもない話。(^^; でも今回は、それで正解だった。知っていたら、最初から来なかっただろう。このお部屋も急にキャンセルになって空いたのだそうだ。何てラッキー☆ 腰を降ろしたところで、ふっと思って タンスにダッシュ。やっぱり〜! ここに来るまでに、歩いていた人たちの浴衣が色取り取りだったのを見て、もしやと思って見ると、ここの旅館の浴衣は紫だった。 しかも品の良い藤色で帯はえんじ色。私の好みにあまりにピッタリで、もう信じられな〜い♪ 私は早く浴衣が着たくて、さっさとお風呂へ。まずは「小町の湯」から。(名前も素敵だわ) ちょうど入れ替わりに、入っていた人たちが出て行って貸切状態。露天風呂で気持ち良い。その隣の「ひのきの湯」にも入ってみた。一汗流して、浴衣を着てるんるん。この間、Rokoちゃんは横になって一休み。Saemiさんは、早速サードのシンボルを使ってセルフヒーリングをしていた。(エライ!) 私は早くお散歩したくて、Saemiさんとお外へ。赤い橋のところで写真を撮ろうとしたら、何とカメラが水浸し。一緒に持っていたペットボトルのキャップが空いて、こぼれていたのだ。バッテリーの中まで水が入っていたので、スイッチを入れてもエラーで動かなくなってしまった。ガガ〜ンとショック。でも、さっきまでのるんるん気分を壊したくなかった私は、気分を切り替える。このカメラは、雨の背振登山でダメになったカメラの代替品として、運良く新品に交換してもらったことがあった。それを考えると、今回はしょうがない。それに、この日はたくさんの祝福を受け取ったのだから、それと引き換えと思ったら充分過ぎる・・・。
 青リンゴのアイスを食べながら、川沿いに路地裏を歩いていた。すれ違う人たちの浴衣を見ては、二人で顔を見合わせてニッコリ。「やっぱり、Miyukiカラーのこの浴衣よね。」 とSaemiさん。たかが浴衣、されど浴衣。好きな色の浴衣に赤い鼻緒の草履を履いて、山奥を散歩しているだけで、とっても幸せな気分になれる、相変わらず単純な私なのでした。(笑) 過去生でも様々な国で人生を送っていたけれど、本質は日本が大好きなんだなと実感。 車道に出たところで、もう一軒のお宿を発見。名前はきれいで品が良かったが、お宿の建物はまだ新しい感じで、この黒川の雰囲気には、ちょっと物足りない感じ。それに車道沿いで川からは離れていた。やっぱり、今の旅館で良かったんだ。寸前の差で入れなかったけど、それも正解。 
 温泉組合の「風の舎」に来たところで、夕日が顔を出した。ピンクオレンジに染まった空に、優しくて穏やかな光りを放っている夕日。 きゃ〜素敵!(こればっかり^^;) 黒川の渓谷に、見事に染まっている。朝の日の出から始まって、この夕日まで。ここで今日は完結って感じでしょうか。(笑) さっきのカメラ事件が悔やまれる。この美しい瞬間を写真にも収めたかった。あきらめきれず、もう一度カメラを出してみた。スイッチを入れたがエラー。やっぱりダメだったか、残念・・・。そう思いながら、最後にもう一度スイッチを入れてみた。すると、何と動き始めた。うそみたい〜! シャッターを押すと、ちゃんと写った。全く何てこと! Saemiさんは、さっきカメラがダメになったと思っても落ち込まないで、前向きに気持ちを切り替えたから、(お試しの)試験にも合格したってことかも、と言ってくれた。阿蘇の火口の時といい、光りの存在たちは、奇跡と思われるようなことも簡単にやってくれます。そうして実際に見せて、体験させて、証明してくれているのでしょう。自分の中で体験したことは、二度と忘れることはないから。感謝の気持ちで一杯です☆

 お部屋に戻って、Rokoちゃんにも報告。Rokoちゃんはこの間、川のせせらぎに癒されていたみたい。おいしいお食事にも満たされて、最後にもう一度温泉に入って、幸せな気持ちと感謝の気持ちで、長い一日を終えました。(レポートも長い!)