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聖なる旅


阿蘇・宇佐 編


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2002.9.18〜9.20


9月 20日
 目が覚めてから、一人で露天風呂へ。また誰もいない。湯船に足を浸けて、澄み切った朝の空気を全身で吸った。そのまま瞑想状態へ・・・。聴こえるのは、川のせせらぎと鳥の鳴き声だけ。朝から、静かで落ち着いた時間を過ごせた。しあわせ♪ そして感謝☆ 

 部屋に戻り、急遽Rokoちゃんにファーストのアチューンメントをすることになった。日本に帰ってから、私からREIKIを受けたいと言ってきた。以前から興味があったのに、いつもタイミングが合わなくて、受ける機会がなかったそうだ。「Miyukiちゃんから、受けることになっていたのかも。」 アメリカに発つ前に、遠隔で受けることになっていたが、今ここで、この流れの中で、アチューンメントをするのがベストだと思った。それまで小雨が降っていたのに、アチューンメントが始まった途端に、雲の隙間から太陽の光りが射しこんできた。川のせせらぎをバックに、自然のエネルギーに包まれて、アチューンメントを終えた。Rokoちゃんは、チャクラのマンダラやゴールドの蓮のような花が見え、光りで眩しかったと言っていた。そして、Rokoちゃんは、しばらく瞑想状態に入った。窓の外に目をやると、すぐ目の前に大きくて立派な木があったことに気づいた。(黒川のご神木みたい・・・) この木の精霊が、ここに呼んでくれたのかも。また雨が降っていた。太陽の光りが降りたのは、あの瞬間だけだった。

 朝食の広間に入ると、たくさんの泊り客がいた。お風呂に入っているときも、ほとんど人を見なかったし、旅館の中も静かだったので、もしかして私たちだけ?なんて話していたくらい。でも、本当に満室だったのね。(^^; お部屋の名前を見ると、部屋番号だけのところもあるのに、私たちのお部屋には”夕月”という名前が付いていたので、やっぱりいいお部屋だったんだわ、と喜ぶ私たちなのでした。(^^)


 川にかかる赤い橋まで散歩していたところに、Hiroくんの車が来た。山道を越えて、宇佐に向かった。道まで貸切状態。霧に包まれてきたところで、トンネルに差し掛かった。一瞬違う世界に入ったように感じた。出口に見える光りは、新しい次元への入り口のよう・・・。(宮崎アニメの世界みたい)

 いよいよ、宇佐八幡宮へ到着。宇佐八幡のことは、去年あるところで聞いた。その時は、とにかく良いということだけで、何がどうなのかは知らなかったが、どこかで気になっていた。そこへ3ヶ月ぐらい前のこと。宇佐が奈良入りする神事が今年行われると聞いた。そのイベントの名前に神幸(みゆき)が付くという単純なことから(でも、このシンプルさがサインの決め手なの!)、ますます意識するようになった。
 宇佐も行ってみたいと思いつつ、場所が場所なので、車のない私には難しい。それでも、縁があれば、いつか行くことも出来るだろうと思っていた。最初は高千穂に一泊して、そのまま帰るつもりだった。そこで、Hiroくんが大分だったことから、宇佐のことを思い出し、もしかしたら帰りに寄れるかなと思って、宇佐を検索してみた。
 すると、あるページで「卑弥呼の墓は、宇佐八幡宮にある」との記述が出てきた。他にも、天照大御神は卑弥呼が神格化されたものであるとか、いろいろ書かれている。その真偽は別にしても、何か関連があることだけは感じた。行ってみたい!! でも場所を確認してみると、全然方向違い。時間的にも無理と思い、今回はあきらめることにした。

 その翌日。Rokoちゃんから電話が入り、せっかく大分も通るなら湯布院とかで、あと一泊出来ないかな・・との話。それなら、もしかしたら寄れるかも! そこで、宇佐の話をした。おもしろそう〜行こう!という話になって(このノリの良さが好き♪ さすがシャスタで出会っただけのことはあります ^^)急遽この日のプランが出来あがった。でも、それだけでは終わらなかった・・・。

 そこへ、サードを受けに春日のKaoriさんが来た。この夏に、天河や鞍馬に行って来たという。その話で盛り上がり、今度のツアーの話をした。すると、前に読んだ本の中に宇佐のことが書かれていて、卑弥呼の話が出てくるという。何それ! 教えて! 
 その本は「ヤマタイカ」という劇画だった。早速持ってきてくれて、読み始めた。その物語は、沖縄から始まった。それも、私が行った斎場御嶽や久高島が出てくる。主人公の神子という女性に卑弥呼の霊が宿り、邪馬台国の”大いなるマツリ”(火の民族の血をもう一度結びつける!?)を復活させるという物語。

 このストーリーとしては、沖縄の祖神アマミク(アマミキヨ)は、邪馬台国の卑弥呼であるという。邪馬台国を復活させるために、失った大いなるパワーを持つ巨大な祭器の銅鐸を探しに、沖縄から九州へとやって来る。そこでは、私が去年初めて訪れて強く惹かれた甘木も出てくる。(二度目が喜多郎さんのコンサート) そこが、卑弥呼の里と呼ばれていたことも、この本で初めて知った。

 神子たちは阿蘇山へと向かい、火口の前に立ったときに、邪馬台国の居城がここにあったことを知る。そこで、彼女の中の火のエネルギーが目覚める。そして、一同は高千穂へと向かい、私たちと同じところを訪れて行く。ここで、火の神イザナミと太陽神アマテラス、火の巫女王卑弥呼が繋がっていることを発見。

 そして日向へ。(ここも去年訪れたところの一つ) ここには銅鐸は見つからず、次なる場所が宇佐になる。宇佐は邪馬台国比定地の一つであり、八幡宮の小椋山こそ卑弥呼の古墳であるという説もあるそうだ。
 宇佐神宮は、神武天皇がお立ち寄りになり、東征に旅立たれたところでもある。その宇佐神宮に、銅鐸が埋められている。・・・ここまで何とか読み終えて、出発した。これは、あくまで物語であり、フィクションであると書かれているが、あまりにもシンクロしているので、何かあるとしか思えなかった。

 そして、私たちも宇佐神宮へと着いた。他にも直前になって、宇佐についての情報が入ってきた。宇佐は二万から三万ある最大の神社のネットワークを持つ八幡神社の総大社であり、日本には八幡による霊的ネットワークが張り巡らされていること。また神仏習合の発祥地でもある。
 御祭神は、八幡大神・比売大神・神功皇后だが、宇佐の神は終末のときに偉大なるお働きを発祥する神様だともいう。一切の善・正義・慈悲・秩序・光明の源泉であり、悪神と闘争し最後に勝利する神。それは、わが身の利害をかえりみずに、他人のために尽くす人たちの善なる言葉・善なる思い・善なる行いに助けられて勝利することであり、「口(祈り)と心(愛ある)と行い」であり、誠である。
 口に表れ、行動に表れたとき誠になる。一人の力ではなく、みんなの誠が必要である。(そうだ! そうだ!) 他人のために尽くす人々の誠に助けられて、悪を倒す。(やるぞ〜!) 宇佐は、この世とあの世を司る神で、エジプト神のオシリスに似ている。宇佐とは、う(宇宙)さ(動く)で、宇宙が動く所である。・・・(宇佐の神様も好き!!)

 絵馬殿の横に大きな菱形池があり、ピンク色の蓮の花が咲いていた。ここは八幡大神が御現れになった霊池としても有名だそうだ。丹塗りの社殿は、朱色に緑色と金色で豪華な造り。宇佐の神様にも発動して頂くために、呼んで頂いたことへの感謝と自分の思いを伝え、五十鈴を鳴らし光りを送る。  強い陽射しの下に、心地良い風が吹き始めた。

 ここでは、「神様みくじ」というのがあり、おもしろそうだったので、みんなで引いてみた。Rokoちゃんと私は、おみくじに入っている神様の御守りを見ながら、「どうせなら、かわいい神様のほうがいいよね。これ(須佐之男命)が出たら、笑うかも。」なんて話していたら、二人とも須佐之男命だった。(笑)  その姿が、あまりに男らしかったので、自分たちには相応しくないと思っていたのだが、説明を読んでみると、それぞれに必要な神様だったことがわかった。(そこで私はまたまた大吉だったのでした♪ 続けて3度目の大吉とは、ただ感謝するのみ。^^)

 宇佐は、自分の足りないところを補ってくれるともいう。卑弥呼の火のエネルギーと、須佐之男命の力強さは、私に一番必要なのかもしれない。今の段階で私に表れているのは水の気質。確かに水は万物の源であるけれど、それだけでは足りない。火と水で火水(かみ)になる。
 女性の気と男性の気。陰と陽。今までは、その陰の部分が強かったが、これからは火のエネルギーを、目覚めさせる必要があるのでは・・・。今年の春に、ある人を通して観音と卑弥呼が入ったと伝えられた。どちらも縁があるのは感じていたが、それがどういう意味なのか理解出来なかった。観音については、シャスタでアモラやワーク中にも伝えられたので何とか納得出来た。でも卑弥呼については、何のために、何の必要があってなのか、わからないでいた。それが、ようやく見え始めてきた。

 その後で、須佐之男命が祭られている八坂神社にご挨拶。小さい頃、良く遊んでいた神社のご祭神だった須佐之男命。兄に縁があることは気づいたけれど、私のことも陰ながら見守ってくれていたのですね。(今頃気づくなんて・・・失礼しました^^;) 私にもその強さを分けてくださいね。 

 最後に、県の文化財にも指定されている呉橋へ。鎌倉時代以前からあるという呉橋は、大きな唐破風の屋根付き。今は渡ることは出来ないが、神橋から眺めることが出来る。その神橋は、周りの風景からしても、千と千尋に出てくる橋の雰囲気にそっくりで、神界へと繋ぐ橋のようにも思えた。(やっぱり、宮崎アニメシリーズ!)


 これで、今回の目的も見事に成就! あとは日田で降りてバスで帰る。途中、耶馬溪を通り、青の洞門を見た。そこでも黄色い蝶々が、私たちの周りをひらひら舞っていた。日田に着いて、最後に大原八幡宮へお参りした。ここは、八幡神が最初に宇佐以外の土地に神姿を現した場所だと、霧丸さんから教えてもらっていた。おまけに、この神社はHiroくんの母校のすぐ近くで、在学中も良くトレーニングをさせられて、馴染みの深い場所だったらしい。(やっぱり縁があったのね) そして、少し遅いランチへ。Hiroくんがお薦めの場所に連れて行ってくれた。案内されて着いたところは・・・!森の中の閑静な一角に、そっと佇んでいる。自然の中で、程よく手入れされた庭園を抜けていく。和の美しさに包まれた空間。この品の良さと落ち着いた雰囲気に、心の中は狂喜乱舞(笑)。時間に余裕がなかったので、料理もすでに予約済み。さすがHiroくん!(シャスタでも、一番気が利くと言われていた^^) 
 ここは、諸国名所百景として語られている天領日田の高瀬。清流が流れ、木が風にそよぐ空間で、品良く盛られておいしい料理を頂く。日本に生まれた幸せを、又してもしみじみと感じている私。(^^) 私たちのすぐ横には、水車が回っていた。高千穂から黒川のお宿と続いた、川のせせらぎシリーズも完結! この旅のクロージングには、最高の場所。 実は日田に着いてからは、そのままバスセンターに直行する予定だった。そこでHiroくんが、せっかく来たなら、少しでも良い時間を過ごして欲しいということで、福岡まで車で送ってくれることになったのだ。(高速で1時間以上かかるというのに・・・Hiroくんの優しさに3人は感謝・感謝☆) それで、私たちはゆっくり食事も出来た。そのうえ、最後にみんなで無理を言って、Hiroくんのお店にも寄ってもらって、素敵な人形も見せてもらった。(Hiroくんのところは、木工細工と日本人形を作っている) Rokoちゃんの飛行機に間に合うかどうかという際どい時間だったものの、誰一人心配することなく(みんな必ず間に合うと信じている ^^)、実際にちゃんと間に合ったのでした。(本当にギリギリだったけど・・・^^;) そうなってま〜す♪ (シャスタでの合言葉) 


 こうして、今回の旅も多くのサポートと導きにより、最後まで楽しく過ごし、幕を閉じました。日本の神様も光りの存在たちも、楽しいことが大好きみたい。おみくじのメッセージにもあったように、一人一人が喜びを持って、常に前向きな気持ちで、笑顔いっぱいに楽しんでいれば、サポートしてくれる存在たちも、ますます喜んで手を差し伸べてくれるように思えます。何よりも、みんなが輝くことを望んでいますから・・・☆

 阿蘇から続いた今回の旅には、まだ続きがあった。卑弥呼の死後、邪馬台国は崩壊し、生き残った巫女たちは沖縄に流れ、分派したグループが東遷した。甘木から日向へ、日向から熊野、熊野から大和へ。九州の日向地方と近畿・伊勢・熊野周辺は、地名や位置関係が偶然とは思えないほどに類似している。「ヤマタイカ」の物語は、宇佐での戦いの後、銅鐸を探しに次の場所へと向かう。私が2週間後に行く予定の奈良へ。(奈良・伊勢編