[聖なる旅]

聖なる旅

バリ島 編


            
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2004.11.7〜11.12
                          

11月10日
 4時のモーニングコールまで、ぐっすり熟睡。5時のお迎えで空港へ。今日は、シヴァちゃん達に会いに、ジョグジャカルタへと向かう。昇り始めた朝日に見送られながら出発。エアラインは、ガルーダインドネシア航空。シンボルのガルーダちゃんに乗って、連れて行ってもらっているみたい。(ヴィシュヌにもよろしくね。デレデレ) 約1時間で到着。窓に目をやると、大きな山が見えた。わっすごい! もしかして噴煙!? 思わずパチリ。アマゾンのように、蛇行した川も見えていた。

 空港に着いて、お迎えを探したが見つからない。あら〜どうしたのかな? しばらく待っていたところで、声を掛けられた。別会社のツアーガイドさんだった。すると、親切にも携帯からオフィスに電話して問い合わせてくれて、もう一人のスタッフと一緒に待つようにとのこと。しばらくしたら、ガイドさんがやってきた。後でわかったことだけど、予定していたガイドさんが向かっている間に、何かアクシデントがあったようで、声を掛けてくれた人のオフィスのガイドさんに、急遽変更したようだった。いきなりのハプニングでした〜。もし声を掛けてくれなかったら、どうしたものか困っていたと思う。助かった〜。(^^)

 気を取り直してスタート。ガイドさんは、年配のアグスさん。日本語も丁寧で、難しい言葉もいっぱい知っていて驚き。ガイドもベテランみたいで、車で走っている途中も、いろいろ説明してくれた。気になっていたヤモリのことを聞いてみると、家を守るシンボルでもあるようだ。(ヤモリは、家の中の蚊や害虫も食べてくれる。) 納得で〜す。

 最初の目的地であるボロヴドゥール遺跡に到着。8世紀頃に建てられ、最も大規模で神聖な仏教寺院として世界文化遺産になっている。誰がいつ建てたのか、正確なことは現在でもわかっていない。広い敷地には、きれいに手入れされた緑が茂っている。壮大な建物は、アンコールワットを思い出させる。何度か雷が落ちたので、現在は高さ35m(元は42m)、横幅は120mあり、全体として3,500,000トンの重量がある。
 門の階段には、守護しているライオンの像。(ライオンとは思えないほど、愛嬌のある可愛い顔。^^) 基底部の壁には、母マヤが身篭って、ブッダが誕生し啓示を受けるまでの生涯がレリーフとして描かれ、通路にも数多くの物語が精密に施されていた。


 ブッダの像は、全部で504体あり、中には盗まれて首がないものも数多くあった。(痛々しい) コーナーは龍の頭で形づけられ、頂上の塔の天井は、ピラミッドの形をしている。その塔は、命が戻る永遠なところとされている。座禅を組んだ頂上の5つのブッダ(ディヤニブッダ・・・ブッダが精神集中することで生み出される力のこと)は、それぞれの方角を支配する象徴で、異なるムドラを組んでいた。アルパダツ(形も欲もない)世界に入る門を通って、頂上に登ると、スピリチュアルな世界が描かれている。そこで、しばらく時間を取った。周りは、大きな山々に囲まれていた。(山の形は、涅槃像) 風が心地良かった。アルパダツの平和で穏やかな世界が広がっていた。私も、とても安らいだ気持ちになった。最後に、ご加護が頂けるという丸い塔の中の像に、触らせてもらった。


 ようやく、この暑さにも慣れてきた。日本との気温差もそうだけど、今年の夏はずっと避暑地に篭っていたので(笑)、ここでしっかり夏のエネルギーも吸収。(汗もタップリ。) でも、今日は程よく曇っていてくれたので、外を歩いていても大丈夫だった。ライオン像にも、よしよしてお別れ。ブッダちゃんも、有難うございま〜す。(^^)


 寺院の周囲では、ガイドブックを盛んに売っているけれど、もっと安く買えるところがあると連れて行ってくれた。そこでは、バティックの素敵なポストカードも(ブッダとガルーダに乗ったヴィシュヌ!)一緒にゲット出来てラッキー!
 次に、近くにあるムトゥ寺院へ。豊かさを象徴した神のレリーフや、椅子に腰掛けた仏像さまにご挨拶。そのお庭には、見事な大木が! 引き寄せられるように近づいた。それは樹齢300年の菩提樹だった。(お〜!) 根が上からぶら下がっているところは、アマゾンの木みたい。よしよししながら、精霊さんにもご挨拶して光を送った。「ぶら下がっても大丈夫だよ。」とガイドのアグスさんがが、お手本を見せてくれた。(あら楽しそう♪) ちょっとだけターザンの気分。(^^)


 次は、バティックの絵を観にいった。トーマサとアプラという有名な画家の手書きの絵を、バティックにしたものが飾られていた。作っているところも見せてくれたが、一つ一つを手で描いていく細かい作業だった。シルクやコットンに描かれているので、表からも裏からも同じように見え、太陽に透かせると、光が入ってすごく素敵♪ (写真左) それに色が変わることがなく、汚れたときは水洗いも出来るとのこと。(素晴らしい!) 全て手作りなので、同じものが二つとない。さぞ高いだろうと思ったら、あらあらびっくり。(日本だったら、ゼロが二つぐらい付くかも) 大きな絵は迫力もあり、美しさもより引き立つけれど、残念ながら私の部屋にはスペースがなさそう。(代わりに写真をパチリ。写真下) 何とか手頃な大きさのものを選んでいった。(どれも素敵なので、迷ってしまいます。) その中で、神話に登場する男女の神の絵(ラブラブバージョン♪)と、凛々しくて美しい神の絵に、シンボルの蘭の絵にした。額も付けてくれて、さらに安くしてくれた。 まだお土産らしいものは何も買えてなかったので、うれしい♪


 ランチは、インドネシア料理のビュッフェへ。料理の他に、サウオという南国フルーツもおいしかったな〜。キウイのような形だけど、とっても濃厚で甘い。伝統料理の冷たいデザートもね。(何杯もお替わりする柾至くん^^) 
 続いて、シルバー細工を作っているところも見学。職人さんたちの細かい手作業だった。素敵なものばかりだったけれど、アクセサリーはあまり身に着けないので、目の保養だけ。(^^)
 インドネシアと言えば、バティック(更紗)が有名。その中でも、ここジョグジャカルタのものは、高級バティックとして有名だそうだ。それに、バリで買うよりも安く手に入るとのこと。そこでバティックの卸工場へ。バティックが作られる過程を一通り見学。一枚のバティックを作るのに、本当に手間隙がかかっている。だから、良いものはいくら洗っても色落ちがしない。卸工場だけあって、さらに安かったみたい。ここでは取りあえず、スカーフやブラウスを購入。


 最後に、今日のもう一つのメインイベントである、プランバナン寺院へ。ヒンドゥーの神々を祀り、大小237もの寺院から成り立っている。正式名は、ロロジョングラン寺院で別名SIWA(シヴァのこと)寺院とも呼ばれている。三大神の中でも、最もシヴァ神が崇められているそうだ。(さすが〜) ボロブドゥールとは、また違った雰囲気。入った時から、親しみというか懐かしさも感じてきた。
 大きな3つの寺院の中央が、シヴァの寺院。(高さ47m 幅34m 修復の工事中) 一番広くて高い天井の部屋に、シヴァちゃんは立っていた。写真では分かりにくいが、3mの高さで寺院の中では、最も大きな像。(写真右) 蓮の台には、不思議な力を持っているという聖水が、側面の龍の口から流れ出て像を清めている。多くの信者たちは、昔からこの水を持ち帰っているそうだ。
 「ここまで来ましたよ〜。」 (思わずウルウル) 破壊と再生・創造の神シヴァ。第三の目からは強い光が放たれ、自然の猛威をコントロールしているという。必要のなくなった万物の全てを、豪雨と雷で焼き尽くし、再生と生まれ変わりをもたらす。出会った時(2年前の夏)は、そのプロセス(過去性のクリアリング)を体験していた時だった。その力とエネルギーを与え、目覚めさせてくれた。怖れを乗り越え、勇気を持って前進していくことも教えてくれた。そして、今度はそのエネルギーを周りにも放って行くのだと・・・。私の大切なガイドマスターの一人です。どうか、これからも見守っていてくださいね☆


 別の部屋には、ガネーシャ像もあった。シヴァちゃんの息子で、富と繁栄・智恵と学問・障害を取り除く幸福の神と言われている。今年の春に、地球環境蘇生のためのサポートもしてくれると約束してくれた。そして、この世をもっと楽しむようにと教えてくれている。愛すべき神様です。(^^) 他にも、シヴァの妻パールヴァティの化身、宇宙の支配者で困難から救い出す女神ドゥルガーも。絶世の美女であることから、女性には美をもたらすので、しっかり触っておくようにと教えてもらった。(ハイみんなも一緒に! 写真右です。^^)


 お隣のブラフマー寺院へ。ブラフマーは、宇宙の根本原理であるブラフマンというエネルギーを神格化した神で、この世界の創造主と考えられている。そのブラフマーは、ヴィシュヌの臍に咲いた蓮の花から生まれたという。(まあ!)

 そしてお待ちかねのヴィシュヌ寺院。この時点では、名前ぐらいしか知らなかったのに、なぜこうも惹かれたのか。それは帰ってからわかることになった。
 ヴィシュヌは、世界が完成する前からそこにいたと言われる究極の神であり、世の中に混乱が起きるごとに、人や動物となって顕現し、世界と人々を救う神だった。あのクリシュナもヴィシュヌの化身の一つだったが、このレポートを書いている今になって、もう一つわかったことがあった。それは、ラーマヤナ神話のラーマ王も、彼の化身であったことだった。どこに行っても、弓を持った凛々しくて素敵な神の絵や像が目に入っていた。それがダンスでも踊られていた有名な神話の王であったこと。そして、私がこの日に買ったバティックの絵のカップル(ラーマ王とシータ姫)や男の神の絵も、実は彼だったことを知ったのだ。そうとは知らず、この寺院を出るときも、お土産さん屋でヴィシュヌのものがないか必死で探し回っていた私。(笑) 何も知らなくても、しっかり絵を選んでいたのよね。(太陽を背に、天馬に乗った凛々しくて美しい姿です。^^) シヴァ寺院の周りには、ラーマヤナの素敵なレリーフもあった。なぜ恋に落ちたような感情を抱いてしまったのかも、今では充分納得なのでした。(キャッ♪)


 向かいにある寺院には、それぞれの神の乗り物たちの部屋がある。ガルーダちゃんも、ありがとう。三大神の寺院の後ろに回り、しばらく時間を過ごした。ここに来れて良かった〜。(やっと帰れたという感じ) とても満ち足りていた。次第に、太陽が色づき始めるのを眺めていた。(ヴィシュヌは、太陽の光を神格化させた神でもある。) 
 三大神は、「三位一体」(トリムーリティ)を表すといわれている。宇宙原理の中で、ブラフマーが創造、ヴィシュヌがその維持と繁栄、シヴァが破壊と再生を担当し、宇宙の始まりから終わり、そしてまた再生と、全てを表しているという。バリに行こうと思い立ち、どこを周ろうかと調べている時に、この寺院のことを知った。お隣の島だったけれど、日帰りでも周れるとわかり決定。そして、案内してもらっている時に、この島にも大きな火山(メラピー山)があることがわかり、それが飛行機の中から見た山だったようだ。(富士山にそっくりで、天気の良い時はプランバナンの背後に見える。そのポストカードもちゃんと手に入った。^^) ここまで招いて下さったヒンドゥーの神様たちに感謝し、光を送らせて頂いた。私もこの世界のために、最善を尽くします☆


 空港に行く前に、近くのスーパーマーケットに寄った。その場で作ってくれたフレッシュマンゴーのジュースを飲みながら、ジンジャーティ、ジャワティ、お土産のトラジャのコーヒーから、ドライフルーツのパックやミーゴレン用の麺にお菓子などを買い込んで空港へ。(アイスやデザートのケーキももおいしかったよ。)
 今日のガイドのアグスさんは、凄い勉強家で物知りだった。ドライバーさんも知らないところで止まって、珍しい果物の木を見せてくれたり、寺院での周り方も無駄がなくて完璧。この日のツアーは、大手会社より一人100ドルぐらい安いところを見つけていた。 突然のハプニングで、ガイドさんが急に変更になったりしたけれど、それもベストだったのよね。 感謝・感謝。
 空港で待っている間に、覗いたお店で素敵なバティックのパンツを見つけてしまった。(サイズも合わせたようにピッタリ) 空港でも、バリより安かった。寺院では、お土産攻撃にあってしまったが、断っていたら勝手にどんどん負けてくれて、良くみたら結構良いものだった。一人から買うと、「私のも買って〜!」とさらにアタックされ、ついつい買ってしまったものの、バリのお店で買うよりは、とても安くてラッキーだったみたい。木彫りの素敵なペアのお面や、白檀や皮の扇子にTシャツなどなど。どれもしっかり作られているものばかり。中には、小さな子供たちもいたので、もっと買ってあげれば良かったかなと思ったのでした。
 再びガルーダに乗って、バリへと戻った。今日も素敵な一日だった〜。あともう一日なのね。早〜い! 最後まで、充実した楽しい時間を過ごしましょう♪