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聖なる旅 



エジプト 2008 編



2008.3.17〜3.31
                                                                                

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 3月25日(後編)
 続いて車で移動して、ハトシェプスト葬祭殿へ。場所は、王家の谷の表側に位置し、断崖を背にド〜ンと建っている。古代エジプトで、最も美しい建築物と言われているそうだ。 ワクワク♪ 


 坂道を上がって、第二テラスへ。所々削り取られているものの、壁画がまた素晴らしく、鮮やかに彩色が施されているものもある。


 向かって左には、ハトホル女神の礼拝所があった。象徴である、太陽ディスクを頭に載せた牛さんも登場。こんにちは〜。(なぜか、太宰府天満宮の牛さんを思い出す。^^) 
 アブシンベル神殿で、ご対面させて頂いていたけれど、石柱では少女のようなお顔をしているので、親しみのようなものも感じていた。(ハトホルちゃんという感じで♪) 
 でも、ここではもっとリアルに感じるものがある。何だろう・・・もっと力強く真剣な感じで、押し迫ってくるものを感じて、ドキドキしてきた。(特に、目元から放たれている。) それが何を意味しているのかわからないまま、ゆっくり一回りして第三テラスへ。


 坂の入り口には、門番のような鳥さん。(狛犬状態です。^^) 胸でクロスした、オシリスのポーズを取っている像が並んでいる。もしかして、これがハトシェプスト女王。(!?)

 
 古代エジプト初の女王。ハトシェプストの意味は「最も高貴なる女性」。即位名のマアトカラーは「真実とラー神の魂」。旧約聖書「出エジプト記」で、モーゼをナイル川で拾って育てた義母は、彼女とも言われているとか。(!?)  戦争を好まず、平和外交を行い、周辺諸国とも積極的に貿易をしていたこともあって、その時代は豊かに繁栄していたという。(いやさか〜) 

 深田さんと初めて会って話していたときに、ハトシェプスト女王の名前が出てきていた。その頃は何もわからず、名前だけが私の中にインプットされていた。後は、ここに来れば、何かを感じるかもしれないと・・・。

 ミイラとしては、黄金博物館で対面していた。その姿を浮かべながら、像の前に立って、しばらく眺めていた。名前に示されているように、気高い美しさがある。男装をしていたとして知られているけれど、内面は女性性に溢れた人のように感じられた。それは、この葬祭殿の壮麗さにも現れている。初の女性ファラオとしての責任を果たすために、表ではその部分を抑えていたのかもしれない。統治していた時代には、外部との戦争が全く起こらなかったのも素晴らしい。平和を愛した女王だったのですね。 ・・・ご苦労さまでした。私も、自分の責任を果たせるように、これからも努力していきます。 そう心で誓いながら、光を送らせて頂いた。


 奥にある岩窟至聖所へ。ハトシェプスト女王らしい、澄んだ神聖な気に満ちている。しばらくしたら、西洋人のグループがやってきた。全体の雰囲気から、スピリチュアルのグループであることは、すぐにわかった。その内のリーダーらしい女性が前に出て、しばらく祈るように瞑想をし、後の人たちもそれに続いていた。周りにいた観光客たちは、その様子を黙ってみていた。


 最後に、もう一度ハトシェプスト女王の像の前へ。この横顔の像が、一番素敵♪ 本当の彼女らしさが表れていて、優しく微笑んでいるように感じられた。
 ・・・またまた、このレポートを書いていた日の夜、ディスカバリーチャンネルで、ハトシェプスト女王の特集が2時間にも渡って放映されていた。それによると、ミイラは去年の6月に、ザビ博士によって特定されたばかりとのこと。(!) おかげで、博物館で観ることが出来たのですね。 何から何まで、ベストなタイミングで時が来ているようです。
 
 お昼前後になっていたので、陽射しもさらにパワフル。(ふ〜っ) ラー神も、ありがとうございます。(^^) ガイドさんが待機している場所へ。カフェもあって、お茶しながら休憩出来るようになっている。ここでも、フレッシュな生ジュースがあったので、マンゴージュースを。 あ〜、生き返る〜。エジプトで、絞りたての生ジュースが安く飲めるのがうれしい♪

 戻る途中で、アラバスターの工場に入ってみた。お店の前では、おじさん&お兄さん達が、アラバスターの原石から作っているところを見せていた。中に入ると、ドリンクサービスがあったので、カルカデ(ハイビスカス)ジュースを。


 まずは店内を、一回り。アラバスターにも、いろいろな種類がある。去年一昨年と、セドナの旅で買ったのは淡いピンク色だった。エジプトでは、古代から建築物にも使われている。(カイロのモスクが有名) 覗いてみるだけで、特に買うつもりはなかったけれど、その中で淡いエメラルドグリーンの石が目に留まってしまった。アラバスターは光を通す石だけれど(写真下左)、その石は全体がクリアに透き通っている。そこで、目に良い働きをすると聞いて、ビビっと来ちゃった。実際に、手に取って眺めていたら、目を通して光が入ってくるように感じた。(!) 

 いろいろな形があったけれど、牛さん姿のハトホル神を見つけた。頭には、コブラが入った太陽のディスク。大きさも手頃だったので、これなら荷物にもならない。どうせここで買うならば、ハトシェプスト女王のものも欲しいと思い、案内してくれていたおじさんに、探してもらった。それも何種類かあったけれど、その中で若い頃のお顔の像を発見。真っ白なアラバスターで、これも手彫りになっている。確かに、若くて美しい。(^^) この石は、ずっしりとして重みがあった。値段は、さすがに良いお値段だった。花瓶類など、機械で作ったものは、比較的安く売られているみたいで、露店などにも良く置いてある。でも、せっかくここまで来て買うのなら、手彫りの一点もの、その場でしか出会えないものを手にしたい。
 料金も、結局半分ぐらいまで下げてくれた。(パチパチ) おまけとして、グリーンの石のピラミッド型をプレゼントしてくれた。(わ〜い、やったね♪)
 

 お店を出るときに、お兄さんが近寄ってきて、1ドルのバクシーシを求めた。その代わりに、アラバスターの原石を二つくれた。置物としえは磨き抜かれたものもきれいだけれど、原石は原石の良さとパワーがあるので、うれしかった。それに、クリスタルのようにキラキラと輝いていて素敵〜。(ラッキー♪)

 最後にもう一つ、メムノンの巨像へ。これは、またド〜ンと大きくて迫力がある。アメンホテプ三世のもので、二体並んでいて巨大な狛犬ちゃんという感じ。(ぷぷぷ) 王家の谷の入り口にあるので、今は見張り番になっているのかも。
 台座には、エジプト上下統一のレリーフなどもあり。名前はギリシャ伝説のメムノン王に由来し、像にひびが入って、朝日が昇る頃にきしむような音をたてたことから、「メムノンが母親である曙の女神エオス(!)にあいさつをしている」と考えられていたとのこと。・・・おまけだけど、日々愛用しているSTSのエオスも、同じ女神から名付けていたのでした。(^^)

 
 のんびりと、ロバに乗って周る人たちも。(ロバちゃん、大丈夫かな。笑) ガイドさんが選んだランチのお店で止まろうとしたけれど、それよりも自分で行ってみたいレストランがあったので、途中で降ろしてもらうことに。その前に、近くのホテルで両替も。
 タクシーを拾ったら、アラビア語しか通じなかったけれど、親切で可愛いおじいさんだった。大まかな場所しかわからなかったので、少し手前で降ろしてもらって探すことに。その道で合っているのかわからず、前から歩いてきた人に尋ねてみたら、すぐ目の前にあった。(ははは)

 ランチタイムは過ぎていたので、ここでも私たちだけだった。ウエイターのお兄ちゃんが、これまた陽気で面白い人だった。メニューを見ても、どんな料理がさっぱりわからないので、いろいろ尋ねて教えてもらっていた。今日はお腹も空いていたし、時間もたっぷりあるので、食べる気満々。(えへへ)
 そこで、ベジタブルカレーに、トマトとポテトの壷焼き料理(ターゲン)と、ヨーグルトとキュウリのサラダを、二人でシェアすることにした。ここのパンは、ふわっと柔らかくて食べやすかったし、カレーもターゲンもご飯と混ぜたらおいしい。サラダもさっぱりして口当たりが良く、さすが評判通り。みんなが感想を書いているノートにも、褒め言葉がいっぱい。シェフも紹介してくれて御挨拶。デザートは、量が多くて食べれそうになかったけれど、時間が経ってもおいしいということで、持ち帰りにしてくれた。


 この間、ずっとウエイターの彼(イサムくん)が、私たちの相手をしてくれていた。このお店は、お兄さんが経営していて、彼が任されているとか。 また、ここで別のエジプシャンネームも。私は「ジャミーラ」で、ともちんは「フィーフィー」。どちらも、女性の名前では褒めている意味があるらしい。(よしよし。笑) 食後に、ミントティーもサービスで。


 いろいろ話していたところで、今日の夜の予定を聞かれ、友達のウエディングパーティがあるからと誘われた。夜は、神殿のショーに観に行く予定だったけれど、それが終わってから、ホテルまで迎えに来て、帰りも送ってくれるとのこと。パーティに参加しなくても、カフェでゆっくりしても良いとか、この場のノリと流れの中で断る雰囲気でもなく、とりあえずOKしておくことに。・・・彼の写真(耳の下)に、小さなたまゆらが写っていたのを見つけたのも、そのサインとして。(^^)
 途中で、ちょっと変わったイタリア人の男性が入ったくらいで、後はずっと貸し切り状態。すっかり長居をしてしまい、ホテルに戻る時間もなさそうだったので、そのままタクシーを捕まえて、カルナック神殿へ。

 そのタクシーは、日本車だった。運転手のお兄さんが、まだショーまで時間があるから、何か見たいものがあったらサービスして連れて行ってくれるとのこと。私たちは次の日の自由時間で、ヒエログリフを入れたTシャツを買いに行こうと思っていたので、そのお店へ。

 一つのビルの中に、パピルスやガラベーヤなど、いろいろなお土産のお店が入っていた。Tシャツには、自分の好きな名前のヒエログリフを入れてくれる。Tシャツの形や色、デザインも自分で選べた。今オーダーしたら、ショーが終わる頃には出来上がるように作ってくれるという。それはラッキー! 生地は、エジプト綿でしっかりしていた。文字の周囲は、レインボーカラーの縁取りにしてもらい、名前の前後にはホルスの目とスカラベも入れてもらうことにした。(ふふふ) 柾至との2枚に、ともちんのも一緒にして、かなり安くしてもらっちゃった。(えへへ) 
 お店を出た頃には、すっかり日も暮れていた。着いてから、しばらくしてチケット売り場がオープンで、ピッタリのタイミング。・・・全く無駄がないように、時間が流れている。v(^^)v

 カルナック神殿のショーは、他の神殿とは異なるスタイルなので必見と聞いていた。(全くその通り!) また、この時は日本語になっていて、またしてもラッキー♪ 

 たまゆらもフワフワ。ライトアップされたスフィンクスの参道を歩いて、中に進んでいく。所々で止まっては解説があり、光と音に導かれながら、一緒に歩いていく。(これは面白い!) カルナック神殿といえば、「ナイル殺人事件」の映画のシーンを思い出す私。今その中を歩いているかと思うと、またワクワクする〜♪

 
 音も迫力があるので、気分も盛り上がる。そうして最後は、聖なる池の前へ。設置されている椅子に座ると、ルクソールがテーベの都として栄えた物語が始まった。夜は肌寒いと聞いていたけれど、まだこの時間は少し蒸し暑さが残るくらいで、ちょうど良かった。風も気持ち良くて、途中でウトウトしながら夢心地の中で、その世界に入っていた。

 時間にして90分ぐらい。終わってから戻ると、入り口には長蛇の列。ピラミッドのショーと同じパターンで、次は英語の解説になっていたからみたい。 私たちは少人数だったので、ゆったりした気分で楽しめてラッキー。


 さっきのタクシーのお兄さんも、駐車場の前で待っていてくれた。Tシャツをオーダーするときに、前金として半分を渡していた。お店の側としても、個人の注文で作るのだから、それは当然のこと。ただ、このお兄さんが迎えに来てくれなかったら、自分たちでは場所がわからない状態だった。初めて訪れる国とはいえ、こういう時でも疑い出したら切りがない。 信じるか信じないかもあるけれど、どんなことでも結局は、自分の意識が現実を創り出して行くのだから。
 
 お店に戻って、Tシャツをピックアップ。私は淡い水色、柾至は濃い緑色で、なかなかの出来栄え。途中で、お兄さんにミネラルウォーターを調達してもらい、ホテルに戻った。 しばらくして、約束の時間になったので外に出てみたら、イサムくんも待っていた。早目に来て、私たちがタクシーを降りるところも、見ていたらしい。エジプト人タイムとかありそうと思ったけれど、意外にも約束を守ってくれるのね。 やっぱり先入観はなくすべきね。
(^^)
 
 友達のモハメッドくんとも合流。タクシーに乗って、4人でカフェに行くことになった。ビルの屋上のテラスで、二人の行きつけのようで、お店の人たちとも顔なじみ。(ウエイトレスさんは、エジプト人らしくグラマラスでセクシーなお姉さんだった。^^) 奥からは、さっきのレストランのシェフも登場。(あらあら) 
 ここで、シーシャを試してみることに。シーシャは水タバコのことで、中近東で愛用されているもの。サファリツアーの途中で寄ったお店でも、吸っている人がいて教えてもらっていた。何となく、吸っている姿だけを見ると、どこか妖しげな感じもするのだけれど(笑)、大抵のカフェに置いてあって、リラックスするためのものだという。いろいろな味のフレーバーまであり、デザート感覚。そこで、アップル味をチョイス。

 吸い方には、ちょっとしたコツがあるようで、彼らに教えてもらった。水の中で、ブクブクと音を立てるぐらいに、ゆ〜っくりと吸い込む。そして、ゆっくりと吐き出す。(写真左 こんな感じ。) 最初は、それがうまく出来ない。かなり思い切って吸わないと、水の中で回らない。何回かやって、ようやくブクブク出来るようになった。これって、呼吸法の練習になりそう〜なんて思いながら、しばらく夢中に。

 ちなみに、私はタバコというのが大の苦手。煙を吸うと頭が痛くなるし、その場で吸っていなくても、喫煙者の人が近づいただけで、すぐにわかるぐらいに敏感に反応する。その私が、こうして吸えているし、まず吸ってみようと思ったり、そのための機会があったりしたのだから、やはり普通のタバコとは何か違うのでしょうね。
 そういえば、ネイティブアメリカンの人たちは、儀式のときにタバコを使っているし、ペルーのアヤワスカの時も、タバコの煙で浄化していた。それでも、普通のタバコは吸う気にはならないけれど、シーシャなら大丈夫という感じになっていた。煙を出すときには、要らないエネルギーも吐き出すようなイメージでプハ〜ッ。慣れるまでは、むせたりするけれど、うまく出来ると何だかうれしくなったりして♪ アロマスモークとも呼ばれているように、タバコというよりも、甘いアロマの煙を吸っているような感じ。 ルクソールの街の夜景も見える。心地良く撫でる風と一緒に、身体の余分な力が抜けてリラックス状態に。

 ステージでは、ショーが始まっていた。しばらく、男性と女性のロマンティックな唄とダンスも楽しんだ。ビルを出るときに看板をみたら、「Golden Palace」という名前だった。(!) 「黄金の宮殿」だなんて・・・。ちょっと出来過ぎているけれど、やはり今夜はお出掛けするようになっていたようで。(^^) 
 そこからホテルまでは、お散歩がてら歩きながら帰った。お空には、お月さまが煌々と光り、その月明かりの下を、のんびりと時間を掛けて歩いていた。(写真右 ともちんが撮ってくれた私たちの写真。頭の上は炎のように!?) ・・・シーシャの燃えるパワーかしらん。(笑)
 
 こうして、二日目のルクソールの夜が更けていったのでした。