[聖なる旅]

聖なる旅

霧島 編


            
                  Page 2

2004.4.23〜4.25
                          

4月 24日

 熟睡している二人とは対照的に、私は寝付くことが出来なかった。それどころか、頭がどんどん冴えてくる。この感じは、インカトレールの時と似ている。気持ちとしては眠りたいのに、意識がクリアになり、いろいろなことが浮かんでくる。大自然のエネルギーが、降り注いでいる感じ。4時過ぎぐらいから、ようやく眠れたようだった。でも、私は朝風呂に入りたかったので、6時には起きた。山の景色を見ながらの、朝の露天風呂は最高〜♪ 眠気もパッチリ、頭もスッキリ。鳥たちの鳴き声が、森の中に響いている。「おはよう〜!」 アマゾンの朝を思い出すなあ〜。(^^)
 部屋に戻ると、Mihoちゃんは一足先に、森のお散歩に出掛けていた。私とともちゃんは、軽く朝食を済ませた後に出発。小さな森も、このホテルの敷地になっている。昨夜入った貸切露天風呂は、その森の中に作られていた。新緑が清々しく、空気がおいしい。朝の木漏れ日がキラキラ。その中で、赤い花の樹が一本だけ目立っていた。全体の樹の枝ぶりが美しくて、品が良い。椿のように、鮮やかな赤い花をつけている。この樹のせいか、この森全体がどこか女性らしく、優しいエネルギーを感じる。
 その先にあるのは、新かごしま百景の「花房の滝」。何とここは、龍馬がハネムーンに訪れていた場所だった。昨夜、ホテルのスタッフの方から聞いてわかった。やっぱり、このホテルにするべきだったのね。(^^) お龍さんと、この路を歩いていたのかな・・・。(うふっ) 林の奥の滝は、人々が近づけない分、当時のままの美しさを保っているように思えた。


 この日は、高千穂峰に登ることにしていた。高千穂峰は標高1574mで、頂上には天の逆鉾がある。登山は大変そうだったが、龍馬と天の逆鉾が呼んでいるように感じて、トライすることにしていた。そのつもりで、昨日からお昼の食事を調達したり、砂むし温泉で浄化して準備したつもりだった。ロビーのスタッフの人からは、溶岩の砂道で足が滑るから、ちゃんとした登山靴を履いてないと大変だと言われた。それでも、行けば何とかなるはずと思って、昨日まではやる気満々だった。それが、ロビーのお土産コーナーで、神代人形を見た時だった。目立つグッズの中に潜むように、素朴な木で造られた小さな置物。それは男女の人形の後ろに、天の逆鉾が立っているものだった。その男女は、伊邪那岐命・伊邪那美命に間違いないと思った。シンプルに墨で描かれた顔は、一つ一つ違っていた。それも、ちょうど3つしかない。それぞれに選んだものが、どこかピッタリ合っている。(^^) 私が惹かれたものは、キリっとした顔立ちをしたもので、卑弥呼を連想させた。手にとって見ていると、声が響いていた・・・。
 それがはっきりわかったのが、昨夜だった。眠れない中で、ビジョンや声がはっきりとしていた。
 「高千穂峰のエネルギー、天孫降臨のエネルギーは、あなた方のもとに送られています。あなた方は、別の形で受け取ることが出来ます・・・。」
 今度もそうだった。私たちは、無理して登る必要はないということだった。(ちょうどレポートを書き上げたばかりの、ペルーのアマンタニ島と同じパターン。) それで急遽、プラン変更。半日かけて登る予定から、ゆっくりと霧島を周ってみることにした。

 昨日、霧島神宮駅でバスに乗る数分前に、あるタクシーの運転手さんと目が合ったので、言葉を交わしていた。感じの良い人だったので、今日の案内をお願いすることにした。迎えに来てもらって、最初に降ろしてくれたのが、運転手さん取っておきの場所。車道から入ったところの奥に出てきたのが、温泉だった。横には小さく「霧島最古の岩風呂」と書かれている。まあ! ここは知る人ぞ知る場所で、観光バスも止まらないという。靴を脱いで、足を付けた。あったか〜い。正真正銘の天然の岩風呂だ! その脇には、グレー色のぬかるみが・・・。もしかして! Mihoちゃんと私は、同じことを考えていた。そう、アンデスのクレイ温泉! 足を付けてみると、少しひんやりして気持ち良〜い♪ 私たちはペルーを思い出しながら、はしゃいでいた。全身塗れないのが残念なくらい。(^^) しばらくして岩風呂で洗い落とすと、足がツルツル。やっぱり、泥パックってすご〜い! 歩くと、足がさっきよりも一段と軽くなっているのが、はっきりわかる。いきなりの大ヒットにウキウキ。(後で写真を見たら、この場所にもエネルギーが降り注いでいました。)


 次に、温泉がボコボコと湧いて、白い湯煙りがモクモクと立ち込めるところを見学。大自然のパワー、溢れる生命力を感じる。次に案内してもらったのが、新湯温泉。周囲を、赤松林に囲まれていた。赤松で思い出したのが、八ヶ岳の旅。(信州編) 私が初めて木花開耶姫さまを感じたのは、最後に訪れた神社の赤松を見たときだった。ここ霧島は、赤松でいっぱいだった。そう言えば、木花開耶姫ちゃんは、ニニギノミコトの御后! 何から何まで、一つに繋がっていく。私たちが、そんな話をしていたら、運転手さんも神話の話をし始めた。やっぱり話の通じる人だったみたい。それならばと、私たちも遠慮なく、いつも通りの怪しい会話を堂々と始め、みんなで一気に盛り上がったのでした〜。(^^) 

 さあ、この旅のメインだった高千穂河原に到着。元旦に神宮を訪れる際、神宮の奥の院が別にあると聞いていた。でも、その時はツアーだったので時間がなく、そのために次に戻ってくるのだと思っていた。それが、この高千穂河原にある古宮址であり、高千穂峰の登山口だったことが、着いてからわかったのだ。鳥居を目にしただけで、思わず感動してしまった。それほど、感じるものがあった。その鳥居の真後ろに、天の逆鉾のある高千穂峰と御鉢が姿を見せていた。
 先に、ビジターセンターに入ってみた。フィルムで霧島連山を紹介していた。その中で私たちが今日行く予定だった御鉢(噴火口)から、高千穂峰を登る道を写してくれていた。しかも「映像で登ってみよう。」だって。(^^) さらに、天の逆鉾の実物そっくりの模型まで! 私たちは、さも登ったかのように、記念撮影をしたのでした。(実際にはロープで囲われているはずだけど、これなら直接触れるしね。笑) 至れり尽くせりで感謝です♪  他にも、霧島連山に生息する鳥を紹介していて、その中にあの写真の鳥さんがいた。カワセミさんだったみたい。太宰府の梅の木に、止まって見せてくれたのも、このためだったのね。ありがとう〜♪(Diaryホテルの写真へ。ねっ、そっくりでしょ?) 

 鳥居をくぐって、参道を歩いた。古宮址は、1234年まで霧島神宮のあったところ。霧島山の大噴火で今の社殿に移しているが、現在でも神籬斎場として、祭祀が執り行われている。(正式名は、古宮址天孫降臨神籬斎場となっていた。) 全て溶岩で造られていた。天照大神の天孫であるニニギノミコトが、降臨された高千穂峰は、今もなお霊峰として崇められている。だからこそ、登ってみたいと思ったのだが、今の私たちには、その必要がなかったのですね。ここに来て、そのエネルギーを感じることが出来たから。
 高千穂峰を背後にした、古宮址の前に立っていると、胸が一杯になって涙が出てきた。神聖さに感動して、胸が震えていた。私たちは、こんなにも美しい国に生まれている。神々が降臨された神聖な国である、この日本に・・・。それだけで、素晴らしく幸せなことだと思った。同時に、それがどれだけの意味を持っているのか、意識しておくべきなのだと・・・。
 私たちは、土笛と五十鈴を捧げ、感謝の祈りと光を送らせて頂いた。そして、私は日本に生まれた責任を、最善の状態で果たすことを約束した。風が身体を吹き抜けていき、鳥が鳴き始めた。ありがとうございます☆
 最後に鳥居を出るときに、もう一度頭を下げようと振り返ったら、そこに飛行機雲が走っていた。さらに、しばらくしたらもう一本。上からと下からの平行に走っていた。「雲のないところに出るのも、意味があるんだろうね。」と運転手さん。この間、御鉢からは白い噴煙が出ていた。これも見える日は少ないそうです。 本当に、ありがとうございました☆


 次に、宮崎との県境を過ぎた、えびの高原に行った。霧島地域には、20余りの火山郡や火口湖があり、えびの高原周辺には大きな3つの池がある。そのうちの一つである、不動池を見た。深さ9m以上あり、周囲700m。湖面は、鮮やかなコバルトブルー。眩しいくらいに、きれい。「ペルーのウマユ湖みたい。」とMihoちゃん。 そうね、スケールは違うけど、美しさは同じかも。そこにまた、飛行機雲がシュ〜ッ。さっきの古宮址の雲は、どんどん大きく膨らんでいて、この時もまだ形を残していた。
 ここで、しばらく休憩。足湯に入りながら、ランチタイム。あ〜、極楽、極楽♪ お土産屋さんで、珍しいものを発見! 「月の女神」と名の付いた焼酎。焼酎の好きな、ともちゃんがお土産を探していて見つけた。ボトルのデザインも素敵で、ブルーのラベルに金色の文字で書かれている。しかも焼酎の色はゴールド。焼酎なんて、どんな味がするのかな、私でも飲めるのかしらと思いつつ、そのまま家に飾っても良いかもと、結局買ってしまったのでした。(^^) 

 そこから、和気神社に向かった。昨夜、スタッフの人から、ここの神社の藤がきれいと聞いていた。でもその時は、まだ登山するつもりだった。そして今朝、朝食のテーブルの下に敷かれていた、藤の絵が目に付いた。藤の花が呼んでくれている気がして、運転手さんにリクエストした。
 すると、この日は藤まつりの真っ只中。それも、今年が第一回目らしく、地域の人たちが坂の上まで、送り迎えもしていた。運転手さんがガソリンを入れてくるということで、私達は送りの車に乗せてもらうことになった。この辺りも、龍馬がハネムーンに訪れているということで、私が何気なく「この旅は、龍馬ちゃんが用意してくれた気がする。」と言った瞬間、Mihoゃんが大きな声で叫んだ!  「どうしたの〜?」 「あ〜、あれ〜!」 振り返ってみると、その車から降りた人が着ていた法被(はっぴ)に、龍馬とお龍さんの絵が! その絵は、高千穂峰をバックに、お龍さんの手を引いている龍馬が描かれていたのです。それが、私の言葉と同時に目に入ったので、Mihoちゃんは驚いてしまったのでした。(私は、その声に飛び上がってしまったけど・・・。笑) その法被は、霧島観光を盛り上げるために、地域の人たちが作って、イベントの時に着ているそうです。着せてもらって、写真まで撮ってしまいました。(^^) 龍馬ちゃんたら〜! 驚かすのが好きなのよね〜♪ 今回は、久々に一本取られました。(笑)
 
 和気公園の藤の花は、見事に満開。紫だけでなく、白にピンクの3種類。白い藤の花は、初めて目にする。藤は、私も大好きな花の一つ。そこで、持って来ていたストールに気付いた。そのストールは、買ってから長い間、使っていなかったものだった。それを今回、無意識の内に選んでいた。それは藤の色と同じだった。やっぱり呼んでくれていたのね。藤の花の精霊さん、ありがとう。
 和気神社は、和気清麻呂を祭神としている。境内に入るなり、「坂本龍馬とお龍の日本最初の新婚旅行の地」と大きく記されていて、その横には龍馬が詠んだ俳句まで書かれていた。(まあ、感激!) 運転手さんが来るまで、しばらく藤の花の下で過ごしていた。花の香りが漂い、うぐいすが鳴き、蝶々たちが飛んでいた。何て平和に満ちているのかしら、しあわせ〜♪ (しみじみ)


 次に、すぐ近くの犬飼滝へ。ここも龍馬が訪れていた場所。その時、滝にかかる虹を目にしたり、滝裏の洞窟に入ったりしていたそうです。そして最後に、塩浸温泉へ。ここは道路沿いからも見えるくらいに大きく、「坂本龍馬の旅碑」と記され、お龍さんとの像が建っている場所。ここで二人は、生涯で一番幸福な日々を過ごしたと言われている。今では、小さな国民宿舎になっているけれど、二人が入ったという温泉場も見えた。まさか、ここまで来れるとは思っていなかったので、私たちはうれしくて、写真を撮りまくっていた。(^^) 国民宿舎の中に入ってみると、龍馬の資料が展示されていた。そこで今度は、「龍馬とお龍」の焼酎を発見! 青いボトルで、いかにも龍馬らしいデザイン。ともちゃんは、何とか買って帰りたいということで、運転手さんに頼んで、教えてもらったお酒屋さんまで行くことに。 最後に、もう一度二人の像の前に戻って挨拶をすると、風が吹いて、山の上から木の葉が雪のように、はらはらと舞い降りてきた。龍馬ちゃん、お龍さん、ありがとう♪  元旦の霧島神宮で見つけた「薩摩と龍馬」の本の中には、龍馬が訪れた場所のことが詳しく書かれていた。だから、またいつか呼んでくれるのだと思っていた。高千穂峰に登って、天の逆鉾を抜いたという龍馬と、同じ足取りを辿ろうと思って登山を考えていたけれど、それよりも今の私達らしく、楽しんで受け取れば良いのだと、この旅を導いてくれた。(うるうる)


 ともちゃんも、無事にお酒を手にして、ホテルへと戻った。すっかり意気投合していた運転手さんと、一緒に写真も撮って、連絡先も教え合った。(別れる前に、もう一度SPの水を飲ませてほしいと言われた。^^) おかげさまで、充実した一日でした。 また戻ってきたときは、是非お願いしたいです。

 ゆっくりと、お風呂に入った後、お庭のテラスに座って、夕日が沈むのを眺めていた。鳥がさえずっていたので、土笛を持って来て吹いた。空には、大きな雲。顔がはっきりと見える。霧島の精霊さんかな。今日は、楽しい一日をありがとうございました☆


 食事を済ませて、最後にもう一度、貸切露天風呂へ。ロビーで待っていると、鹿がいるとスタッフの人が教えてくれた。急いで外に出た。薄暗い中で目を凝らしてみると、確かに見えた。しかも3頭! 逃げるでもなく、私たちを見ていた。ホテルの林の中には鹿がいると聞いて、会いたいと思っていた。だから、帰る前に会えてうれしかった♪ 想いは、ちゃんと通じるのね。

 この夜入った露天風呂は、「赤松の湯」。その名の通りに赤松林に囲まれている。(ここは、原田知世のコーヒーメーカーのCMにも使われていたそうです!) うっすらと白く濁っていて、昨日とは泉質が違う。しんと静まり返った夜の森。この日は風もなかった。大自然のエネルギーが、細胞の一つ一つに浸透してくる感じ。最後に、今日のエネルギーの統合ね。
 外は肌寒かったけれど、身体の芯から温まり、全身の力が抜けて足元がフラフラするくらいに効いていた。お部屋に戻って、また何気なく 「霧島の温泉って、火と水のエネルギーって感じよね。」と言った途端、今度は目の前にあるパンフレットに、「火と水」と書かれた広告が目に入ったというMihoちゃん。またまた〜! 先日のメッセージを思い出した。この日続いて起こったシンクロは、光の速度で伝達されるということでもあり、それが起こるのは宇宙と直結しているからこそ。そうして物事が現実化していく。それも、これからは瞬時に起こるということ。全ては、光の速度で起こるようになるのでしょうね。 ますます楽しみ〜♪