[Page 5]






聖なるペルーの旅


                    Page 6


2001.9.27〜10.10


10月 3日
 昨夜は、また横になるとぐっすりと眠り、目が覚めたのが1時30頃。外に出ると、この日は満月。山全体を煌々と照らしていた。しばらく月の光りを浴びて、テントに戻ると又しても頭すっきり、お目目バッチリ。横になってはいるものの、もう眠ることは出来なかった。途中で起きて外に出なければいいと思うのだが、そうしないではいられなくなる。何かに呼び起こされるように、この日もまた目が覚めて外に出ていた。

 5時半ごろには顔を洗って身支度を整え、7時半に出発。今日は、3950mのSecondPassの峠を越える。300mの高さの急な登りから始まった。雨の中、ゆっくり登っていた。その途中で、ルンクラカイの遺跡がある。(左下の写真) 
 半円形のこの遺跡は、宿場のような役割を果たしていたらしい。また、チャスキと呼ばれる日本でいう飛脚たちの休憩所でもあったようだ。見晴らしが良くて、昨日歩いてきた道まで見える。さらに登り続けると、左手に湖が見えてきた。白い大きな鳥が、ほとりで羽を休めていた。道沿いには、黄色や紫、赤い花が咲いていて、目を楽しませてくれた。



そうして、峠に辿り着いた。雨で空気が湿っているので、3950mといっても、昨日に比べたら苦しくない。M.M さんは、昨日のことが信じられないくらいに、朝から元気だった。本人も、昨日ですっかり浄化されたみたいと言っていた。
 すると、今まで元気だったM.Yさんが体調を崩してしまった。顔色も悪く、朝食も口に出来なかったほど。他にも、今朝のオートミールが合わなかったのか、お腹をこわした人も何人かいた。それぞれに浄化をしているのかもしれない。

 その峠を下って、しばらくするとサヤクマルカの遺跡が出てきた。 その手前で、私と柾至は木の間を見え隠れしている青い鳥を見つけた。幸せの青い鳥のイメージそのままだったので、今日はまた何かいいことがありそうな気がして、元気百倍!(私たちって、ほんとに単純^^) 遺跡のところに行くには、かなり急な石段を登らなければいけなかったので、(右の写真) アドリエールのサポーターに荷物を見てもらうことになった。おかげで後ろにひっくり返ることもなく、遺跡に辿り着いた。こんな高いところにも、ちゃんと水が引かれていたようだ。一体どこからどうやって引いてきたのか・・。不思議だ☆  

 それから、再びジャングル地帯に入った。v(^^)v 濃い緑の樹木で覆われ、山肌には苔が生えている。その苔が、ゴールドがかったオレンジで、すっごくきれい! 近づいて見てみると、一つ一つがバラの形をしていて、その美しさには感激!! 
 どんどん霧が濃くなって来て、数メートル先は、もう見えなくなってきた。歩いている石畳も、銀色にキラキラ光って見える。周囲には、誰も見えなくなっていた。幻想的な世界に包まれ、まるで雲の中を歩いているようだった。いつまでも、このエネルギーの中に包まれていたい。そう思いながら、何度も立ち止まり、ゆっくりゆっくり歩いた。

 私の最もお気に入りの道で、今でもあの神秘的な美しさは忘れられない。この道を、もう一度歩けるなら、またトレールしたいと思ったほど・・・。途中で、自然の岩壁で出来たインカトンネルもあった。薄暗い中、冷たい岩壁につかまりながら、滑りそうな石段を用心して降りていく。「楽し〜い♪」 柾至がそう言いながら、このトンネルをくぐって行った姿が、目に浮かぶようだった。そうして、今日のキャンプ地プユパタマルカに辿り着いた。



 このトレールでは最も高いキャンプ地で、標高約3700m。”雲の神殿”の名にふさわしい。いつものように、洗面器のお湯に二人で足をつけていると、エハンが「いいね〜♪、写真撮ろう〜」と言って、撮ってくれた。(右の写真) 

 テントの中にいると寒いので、夕食前から、みんなでダイニングテントに集まって、お茶しながらおしゃべり。とうとう、最後のキャンプなのだ〜。テントでのおいしいスープも、今日がラスト。しっかりお替りをして味わっておいた。
 エハンとK.Mさん、M.Yさんの三人は、みんなよりも随分ゆっくりの到着だった。エハンの話では、トレールに参加する人の多くは、早く到着することに気を取られて、周りの景色はほとんど見ていないそうだ。そう言えば、すれ違う人たちの目線は、地面か前ばかり見て、ひたすら歩いているって感じだった。あ〜勿体ない(笑)。エハン自身も過去のトレールでは同じことをしていたらしく、今回そのことにようやく気づいたので、今日は三人で楽しみながら来たと言っていた。そうそう、どうせ同じ事をするのなら、楽しまなくっちゃ!どんな時も、どんなことも楽しんですれば、喜びはどんどん増えていくから♪

 最後の夜なので、アドリエールが希望者にリーディングをしてくれた。最初に見てもらったマーサは、何にも言ってないのにズバリだったそうで、すご〜い!と興奮気味だった。みんなにはエハンが通訳してくれて、いよいよ私たちの番。
 コカの葉を持って、お祈りとマントラのようなものを唱え、テーブルに投げたコカの葉を見て、そこから出るメッセージを伝えてくれる。

 まず最初に、あなたは、ヒーラーになる人だと言われた。それも手から出るエネルギーを使っていくこと。自分が学んだことを伝えて、人々をガイドして行くこと。あなたの後には、たくさんの人たちが列を為して待っていると、何枚も重なって並んでいるコカの葉を指して言っていた。
 そのあとで、「今は日本で何をしているの?」と聞かれた(^^; 他にも、自然界との繋がりが強いので、出来るだけ自然の中に身を置くこと。植物や薬草と相性がいいので、その勉強をして使って行くのも良い、それは昔からしていたことだからと言っていた。

 最後に、柾至のことを聞いてみた。過去生で、私たちは兄弟姉妹だったことがあり、その時の私は世界各国を旅していたらしい。そのため現世では一緒にいることが多く、将来彼も私と協力して、人のために何かをするらしく、それはドクターのようなことかもと言っていた。柾至は後で、ドクターと聞いて少しがっかりしたと言っていた(笑)。今は、他にしたいことがいっぱいあるものね〜。
 
テントに入って、ウトウトしかかった頃、「まだ起きている人で行きたい人は、サルカンタイを見に行くよ」と声をかけられた。柾至はぐっすり眠っていたので、起こすのはやめた。

 暗闇の中、丘を登って行くと・・・目の前には頂上を雪で覆われた美しい山が姿を現していた。この山のためだったんだ。エハンが今日は晴れるようにと、ずっと祈っていたのは・・・。
 いつも、雲で覆われていて、見ることが出来なかったという、アプ(聖なる山)サルカンタイ。それが、今日5回目のトレールにして、ようやく見れたのだという。そこで、アドリエールによって、お祈りが行われた。

 夜空に白く浮き上がっているその荘厳な姿は、まるで山の神が姿を現したように感じた。その迫力と美しさ・・・それでいて清らかなその姿を前にすると、それだけで魂が純化されてくるように感じる。私たちは、なんて幸せなんだろう。明日は、いよいよマチュピチュへのゴールだ!!