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聖なる旅 



セドナ 編



2006.3.18〜3.29
                                                                                                                                      

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 3月22日(後編)
 グランドキャニオンを出たのは、11時半ごろ。再び、北へと向かう。レイクパウエルを中心にした半径230kmの円を描いた中には、8の国立公園と16の国定公園があり、その大自然のエリアをグランドサークルと呼んでいる。私たちはセドナに入る前に、このグランドサークルの一部を周ることにしていた。その最後が、この後に向かうモニュメントバレー。

 レイクパウエルから行くと約130マイル、グランドキャニオンからは約200マイル。今回この順序にしたのは、北上したほうがバレー内に入った時に見える景色が良いと聞いたからだった。(そして、それは正解だったようです。^^)  

 平原の中に大きく割れた土地が現われたり、再び砂の岩山が出てきたり。 道もスムーズで、思ったよりも早く、3時間半ぐらいで到着。モーテルにチェックインした後、近くにあるモールにコインラドリーがあると聞いたので、お散歩がてら洗濯をしようと用意して出た。でも、車に乗って出たところで急に考えが変わり、引き返して先にモニュメントバレー内に入ることに。(突然の変更は、今回のパターン。^^)


 163号線をさらに北上すると、果てしない広大な土地に、ビュート(残丘)が見えてくる。柾至は、その中にマリア像にそっくりなものを見つけた。そう、この景色が観られるから、グランドキャニオンから北上したほうが良いのだ。


 道の突き当たりにある、ビジターセンターへ。駐車場に入ったところで、バレーツアーのことを聞かれた。モニュメントバレーは、ナバホ族居留地  なので、ナバホの人々が管理、運営している。バレー内には、ナバホのガイドによるバンやジープのツアーがある。私たちは、今日はゆっくり夕日だけ観ることにして、明日の朝一番のツアーに参加するつもりでいた。それで予約をしておこうと話を聞いていたら、今ならまだ最後のツアーに間に合うとのこと。う〜ん、どうしようかなあ〜。今からなら全体を周って、夕日の良い時間に戻れるという。
 ガイドブックに乗っていたグループツアーに参加するつもりでいたので、余分に用意していなかったので持ち合わせが足りない。そのことを話すと、その分を時間短縮にして周るようにして、予算内でしてくれることになった。(通常は10数人ぐらいのグループになるけれど、3人のプライベートツアーでしてくれる。) そうよね、チャンスがある時でないと、明日はまたどうなるかわからないし、今日の天気は文句なし。 よし、決定!

 柾至は、後部のオープンシートに乗った。赤茶けた広大な荒野を、風を切りながら走る。道は舗装していないので、時々バンピングするのも面白い。私たちのガイドさんは、アレックス。ロングヘアを束ねた、マッチョなタイプ。(でもサングラスを取ると、優しい目をしていた。^^) それぞれの見所を説明してくれ、MCとの会話も盛り上がっていた。

 やはり展望台から眺めるのとは違う。300m以上もあるビュートは、間じかでみると迫力がある。トーテムポールや、スヌーピーが横たわっているように見えるキャメルビュート、ダンボのように見えるエレファントビュートに、ETなど、様々な形をしていてユニーク。



 写真を撮る絶景のポイントで、ちゃんと降りてくれる。中でも最も有名なのは、ジョン・フォードポイントだ。Jフォードは、西部劇の名匠と言われた監督。ナバホの人々の協力を得ながら、このバレーで数多くの作品を撮影したという。(西部劇以外でも、「バックトゥーザフューチャー」などなど、ここで40数本が撮影されているとか。) 「駅馬車」など、私も小さい頃にテレビで観た憶えがある。そのポイントから観える景色は、さすがに素晴らしい! 

 そこに、黒いお馬さんがいた。お〜っ! 一緒に写真を撮れるようになっていたのでお願いした。柾至が乗ってパチリ。その時に、帽子まで被らせてもらった。ブライスキャニオンで買ったジャケットと、妙に似合っていた。(^^) ふと気付けば、私が買って着ていたジャケットは、黒いお馬さんの絵だった。(なるほど、こういうことだったのね。ふふふ)




 3人の修道女の形をしたスリーシスターズが、太陽に照らされていた。神々しく輝いて見えて、思わず手を合わせた。柾至は、馬に乗って少し歩かせてもらっていた。太陽の陽射しがキラキラして、きれいだった。


 二つの巨大なビュートの間で降りた。その名も、Rain God Mesa。アレックスによると、それぞれのビュートに手を向けて立つと、その両手を通して身体の中に、エネルギーが流れてくるのだという。 まあまあ! 教えてもらった通りに、やってみた。両手には、二つのビュートからのパワー、足からは大地のパワーがドクドクと入って来る感じだ。


 感謝の気持ちを込めて、4つの方向に向かって五十鈴を振り、最後に土笛を吹いて捧げながら、私も光を送った。「アヒリー!」と叫ぶと、声が返ってくると聞き、私たちも大空に向かって叫んだ。 大地よ、この自然界に棲む神々よ、ありがとうございます☆
 ・・・「アヒリ」は、ネイティブの言葉で、ありがとうの意味。私はこの時、ペルーのアラムムルの神殿での儀式を思い出した。あそこでは必ず、「ハイリー!」と最後に叫んでいたのだ。 言葉の響きも似ていましたね。


 アレックスが、私の土笛にすごく興味を示した。手に取って眺めながら、「僕たちの笛にも、同じ様な素材で作ったものがある。後でピッタリの場所があるから案内する。」と言っていた。
 そのすぐ先の場所には、眠っているドラゴンの頭の形をしたビュートがあった。ほんとだ、確かにそう見える。まさか、ここで龍神さまに会えるなんてね。感激! ここでも、五十鈴と土笛を捧げて祈った。


 移動中に、羊の群れがお散歩していて、長閑で可愛かった。その中には、珍しい4つの角の羊がいた。わ〜、また4つ!? サークルと同じだね。(^^) このバレー内には、ナバホの人たちの住居があり、アレックスのお母さんも、そこに住んでいるとのこと。太陽が眩しいくらいに、力強い光を放っていた。


 そして、大きな大きな洞窟の前へ。わ〜、これはまた凄い! ここが、さっきアレックスが言っていた場所だった。岩の上にもたれて、大きな穴の空いたところを見ると、イーグルの頭の形をしているのがわかるという。本当だ〜! わ〜すごいね〜。それにしても、一体どうやってあの穴が・・・。


 「ここで、笛を吹いて。」とアレックス。ちょっとドキドキしながら、笛を吹いた。すると、その音が洞窟の中で、エコーがかかったように響き渡った。わぉ〜っ! そういうことなのね。 音が全然変わっていた。 イーグルと大地の神々に向けて、心を込めて吹いた。
 そこに、別のグループの若いガイドが来た。その手に持っているのは・・・ネイティブインディアンフルートだ! そして来るなり、私の横で笛を吹き始めた。(自分のツアー客は、そのままに。^^) まあ〜そんな! うれし過ぎるよ〜♪ アンテロープキャニオンに続いて、ステージとしては最高の場所だった。ありがとうございます〜!!


 そして、また大きなアーチの場所へ。写真ではわからないと思うけど、このアーチもかなり大きい。私と柾至は、ヨーイドン!で、砂の上を駆け登った。 砂に足を取られて、ふ〜っ! 柾至は、一気に登って到着。わかっていたことだけど、全く叶いません。(^^; でも、おもしろかった〜。
 

 そして最後の場所へ。ここは遺跡になっていて、やはりトップに大きなアーチがあった。大きな岩壁には、ペトログラフのようなものや、ネイティブのチーフの横顔にそっくりな岩もある。スピリットが入っているみたい。 その岩に額と手をつけて、しばし瞑想。先住民たちに意識を合わせ、感謝の光を送った。ここに呼んで頂いたことに、心から感謝します。ありがとうございました☆


 そこから一気に、戻ることになった。どうやら、かなり時間がオーバーしてしまったようだ。予定では1時間半で周ることになっていたのにね。私がゆっくりしていたもので・・・。(^^; その代わりと言っては何だけど、その分アレックスにチップをはずむことに。(持っていたお金全部集めて。^^) ツアー料金のほとんどは、会社に行くみたいで、彼らが受け取るのは僅かみたい。それでも、こうしてツアーに参加したりすることで、少しでも役に立てれたらなと思う。
 バレー内は、入場料さえ払えば、自分たちの車でも周ることは出来る。でも慣れていないと走りにくいし、途中で故障することも良くあるのだとか。それだけでなく、やはりここでは断然ツアーに参加して周ったほうが面白い。標識やサインらしきものもないので、広すぎて自分ではどう周っていいのかわからないし、ナバホの人たちと交流出来るのも楽しいから♪ 
 それも今回は、私たちだけで周れたことも、すごく良かった。大勢の他のグループと一緒だと、こうは行かなかったかも。柾至は、後部座席のオープンシートに一人で乗って、最高に気持ち良かったと言っていた。景色も最高だし、風を感じて、開放感いっぱいだったようだ。
 それと、これは後でガイドブックの写真を見て気付いたことだけど、どうやら私たちはミステリーバレーまで入っていたようなのです。あの大きな洞窟から先がそうだったみたい。バレードライブの一番奥にあり、遺跡になっているので、一般車や個人では入れないようになっている場所。ツアーも、別料金で半日以上の長いツアーで訪れると書かれていた。ミステリーバレーは、すごく興味があったけど、半日ツアーは難しいから、最初から考えていなかったのに。 アレックスは、何も言わないで案内してくれていたのですね。(笛を吹くためだったりして。^^)  本当に有難いことでした☆
 
 
 アレックスから名刺も頂き、お互いにグッドラックを祈ってお別れ。ビジターセンターの展望台から、次第に染まっていくバレーを眺めた。

 夕日に照らされて、ビュートが浮かび上がる。そうこれだ、この光景! このモニュメントバレーの美しい夕日に染まる景色に憬れて、ここまで来ていた。それを今、目の前で眺めている。柔らかいピンクオレンジ色。伝わってくる、神々の恩寵が、太陽の慈愛が・・・。私にとっては、何よりのギフト。ありがとうございます☆ 
 そして、太陽はゴールデンオレンジに染まり、ゆっくりと沈んでいった。





 私たちの心は、すっかり満たされていた。車に乗って、柾至がCDをかけた。もちろん、ここではボンジョビの「ヤングガン」。これ以上にピッタリの曲はありません。(^^) 車の中で、思いっきり盛り上がった。 もう最高の気分♪ (24時間前の出来事が、もう遠い過去みたい。^^)

 ・・・・旅から帰った後、ボンジョビの大フアンであるMayumiさんから、プロモのビデオを貸してもらった。ボンジョビが、どこかのキャニオンの上で唄っていた記憶があったので、もう一度観てみたくてお願いしたのだ。
 やはり、ヤングガンの中の一曲だった。(「BLAZE OF GLORY」 直訳すると「栄光の炎」かな) そして何と、その場所がモニュメントバレーだったのだ! もう鳥肌が立った。似たような場所はあるのだけれど、ほぼ間違いはないはず。 すぐ横に、スリーシスターズらしきものが映っていたから。あの日、あの時に太陽の光に照らされていた、あの場所で唄っている。ボンジョビのプロモは、他にも観ているけれど、これはスペシャル。ジョンが凄くパワフルで、表情も違って見えた。スピリットが降りているとしか思えないくらい。それから二人で、しばらくの間、何度も繰り返しみていた。映像からも、エネルギーが伝わってくる。改めて、凄い場所に居たのだなと思った。そのプロモの中では、夕日が沈み行く中で歌い、稲妻まで走っていた。(最後は、炎メラメラ) 今でも懐かしくなると、また観てしまうのでした。(^^) 

 そのままバレー内にある グールディングスロッジへ。私たちが泊まる 「Wetherill INN」と同じ系列で、ロッジの他にギフトショップやスーパーなどもある。ここにコインランドリーがあることに気付き、洗濯している間にお店を散策。(やっぱり予定変更して大正解だったのだ。^^)
 ギフトショップの入り口には、等身大のジョンウエインがお出迎え。こんにちは〜! とってもリアルで、存在感を感じてしまった。(^^) ネイティブグッズ以外にも、カーボーイハットなどもあり、柾至もすっかりその気になったりして。(笑) コインランドリーには、地元の人たちも来ていた。スイッチがわかりにくかったけど、教えてくれたりして、とっても親切。(^^)
 今日も、また朝から盛りだくさんの一日だった。明日は、いよいよセドナに入るけれど、この時点ですでに満腹状態な私たちなのでした。うふふ♪