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聖なる旅


白神・十和田 編


            
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2005.11.3〜11.5
                          

 11月 5日
 5時のアラームで起床。パチンと電気を付けて、勢いで起き上がり「眩しい!寒い!眠い!」の三連発。(笑) 準備して、眠そうな顔のフロントのおじさんに鍵を預けて、外に出た。つい先ほどまで雨が降っていたみたい。それも、かなり激しい雨だったようだ。懐中電灯がいるかと思ったけど、これなら何とか大丈夫。地図を片手に薄暗い中を、二人で足早に歩いた。(怪しい〜。^^)
 思ったより近い。10分ちょっとぐらいで、鳥居が見えてきた。そう、私たちが目指したのは、十和田神社だったのです。十和田神社は、2年前の旅の最後に訪れている。あの時には、ここで最後の締めに相応しいことが起こっていた。短い時間だったけれど、私の中に強い印象として残っていた。(秋田・青森編) 今回の白神ツアーで、十和田湖畔に泊まるとわかったが、あいにくツアーの予定には含まれていなかった。ザンネ〜ン!と思ったが、次の瞬間には自分たちで行けばいいんだと思った。ただ、十和田湖といっても広い。ホテルがどの辺りか調べてみると、ラッキーにも同じ地区にある。これならタクシーを使えば、出発前でも行けると思った。
 昨日の夜、ホテルのロビーで尋ねてみると、朝の時間にタクシーは来ないと聞いてがっかり。歩くと片道で20分ぐらいかかると言われた。ちょっと時間的に厳しいかな・・・と思ったけれど、昨日の龍神さまの雲と雷の合図で、呼ばれているのを強く感じていたので、それでも何とか行きたい、いや行かなくてはと思った。その分早く起きればいいのよ! 7:50の出発から逆算して、5時に起きて全部準備して出れば何とか間に合うはず。私たちは、アマゾンで早朝出発には慣れていたし、神威岬のことも思い出して、行けば何とかなると思った。(過去の経験が役に立ちます。^^)

 ここよ、ここ! 鳥居の前に立つと、胸が高鳴った。初めて参道に足を踏み入れた時の感動が甦ってきた。樹齢約250年の杉木立の中に入る。今回は、薄暗いのでムード満点。 カラスの大群が、上空で鳴き続けている。(それも半端な数ではないのです〜。) 手水舎の前に来た。あの例の龍ちゃんだ! お久し振りです〜。 また来ちゃいました。(しかも、こんな夜明け前に。笑) お水を掛けて御挨拶を済ませた後、本殿へ。(隣には熊野神社もあり)

 昨日の夜の段階で、歩いて行くことになったので、お参りだけして、そのまま帰るつもりでいた。 この上まで行く時間はないだろうと思っていたから。 それで、権現社に向かって挨拶だけしておこうと思ったが、また例の看板が目に入った。「往復20分」・・・みほちゃんが時計を見て、まだ6時前だという。どうやら、みほちゃんも行きたいみたい。OK、じゃあ行けるとこまで行こう!(これも、神威岬と同じパターン。^^) 少しずつ、空が明るくなってきた。とは言え、雨と落ち葉で足元が危ない。ロープにしっかり掴まって、滑らないように登って行った。(大丈夫、大丈夫。ちゃんと守ってくれているから・・・と自分に言い聞かせる。^^)
 紅葉した木々が、雨に濡れてきれいだった。シャッターを押すと、凄いことになっていた。(わ〜わ〜!) やっぱりね〜。半端じゃないよ、ここのエネルギーは! (この時は特に) 相変わらず、カラスさんは大騒ぎ・・・というか大合唱して迎えてくれている。(^^) 気分は、一気に盛り上がっていった。


 登りついたのも、思ったよりスムーズ。右の奥に、大きな岩が見えた。確かあそこだ! 2年前に見つけた例の岩。(写真下左) まだあのピラミッドの石はあるかしら。 岩に向かって御挨拶し、先に進んだ。 青龍権現社と八幡社にお参り。それにしても、何て清々しい。 雨で清められた木々と、落ち葉に覆われた不思議な空間になっている。 とにかく、降り注ぐエネルギーの凄いこと! 大きく深呼吸すると、細胞の隅々まで浸透していく感じ。 やっぱり、ここまで来る意味があったのね。


 展望台からは、十和田湖が見えていた。空もうっすらと、ピンクオレンジに染まり始めた。あと一箇所、2年前には気付かなかった場所がある。占場だ。看板には、鉄梯子から降りたところにあると書いてある。 周囲を見渡したけれど、それらしいものがない。 落ち葉で埋もれて、わかりにくいからかな・・・。時間も気になっていたので、諦めて戻ろうかなと思った頃、見つかりました! お〜、ほんとに鉄梯子だ。 濡れているので滑らないように、一人ずつゆっくり降りた。 実際に降りると、見た目ほど危なくはなかった。


 でも、その先には更なる長い鉄梯子が! それも、ほとんど垂直状態。 降りたところが、その占場になっているようで、ほんの狭いスペースがあるが、その下は絶壁のように見える。この鉄梯子も、実際に降りてみたら、大したことがないのかもしれない。ワイナピチュの小人の石段を思い出した。でも、ここではまた登って来ないといけないのよね。それに、この時は思いっきり濡れている状態だったから、すぐにツルンと滑りそう。
 占場は、熊野(!)から来た南祖坊が入水した場所と言われ、吉凶を占う場として信仰を集めている。お金やお米を白紙にひねったものや、宮司が神前に供えて祈念をこらした「おより」を湖に投げ入れると、願いが叶うときには水底に引き込まれるように沈み、叶わないときには重いものでも浮いたまま波にさらわれ沖へ流されるといわれているそうだ。 う〜ん、私には特に占いたいこともないし、願いというのは自分で叶えるものだとも思っているので、今は無理して上り下りすることもないみたい。それに景色は、ここからの方が良く見える。 占場には光を送っておき、山の裏側に昇り始めている太陽と龍神さまに、ここまで呼んで下さったことへの感謝を伝え、持っていたHWの水を撒いた。 いつのまにか、カラス達も静かになっていた。


 再びピラミッドの岩に挨拶をし、しっかりロープや木に掴まりながら降りて戻った。本殿の脇から降りる道と石段は、男道と女道と名付けられていたことに気付いた。今回は、ちゃんと両方の道を通ることになってたみたいね。 御神木さんも、こんにちは。 手水舎の龍ちゃんにも、もう一度お水をかけて御挨拶。またお世話になりました。
 参道を出る私たちと入れ違いに、お参りに来る人がやってきた。今日だけは、私たちが一番乗り! (さすがに夜明け前から、お参りに来る物好きは、私たちだけだったようで。笑)  ツアーのプログラムに含まれていなくて、正解だったのよね。そのおかげで、一番良い時間を、自分たちだけで好きなように過ごせることが出来たのだから。 全ては完璧。素晴らしい時間を、本当にありがとうございました☆


 すっかり満たされて、ホテルの部屋に戻った。(すでに一仕事を終えた様子の私たち。^^) 時計をみると、まだ7時前。朝食は食べなくてもいいと思っていたのに、まだまだ時間があったので、結局またしっかり頂くことになった。(笑) 出発の時間にも余裕で間に合い、ガイドさんと一緒に写真を撮ったりしていた。何でも、実際にやってみないとわからないものなのよね。そこで、すぐに諦めてしまうか、自分の内なる声と導きを信じて行動するか。その私たちの信頼に応えるように、宇宙はサポートしてくれるのですから。

 バスガイドさんによると、昨夜は激しい雨と雷が一晩中続いていて、別の宿に泊まっていたガイドさんは、ほとんど眠れなかったそうだ。(龍神さま、ご苦労さまでした。^^) 
 キラキラと輝く木漏れ日の差し込む道を走った。紅葉した葉や雨に濡れた道に反射して、光の道になっている。 何て、何てきれい! この道は、昨夜も通っている。帰りもまた戻るから、三回通ることになる。(わ〜い♪) そして、このツアー最後の目的地である奥入瀬渓流へ。

 まずバスで、周囲の景色をゆっくり観ながら通った。万両の流れから豪快な銚子大滝の橋を渡り、九段の滝、姉妹の滝、細く流れる双白髪の滝、夏は見えないという不老の滝(この時はバッチリ)、白糸の滝、白絹の滝、岩肌を伝うように流れる玉簾の滝、硬い岩を伝う岩菅の滝から、ゆったりと流れる白銀の流れを通り、白布の滝の先にある落差30mの雲井の滝で、バスを降りて自由散策スタート。

 すでに自分たちの目的を果たして、満足していた私たちだったけど、この後も感動が続くことになった。紅葉の見頃が終わっているとはいえ、大自然の美しさは変わらない。透き通った水に、苔むした岩、雨に濡れて輝く木々・・・。この感じは、アマゾンの雲霧林みたい♪ 少しでも、この美しさを残しておこうと、写真をバシバシ取りまくる私たち。(^^)


 そこに太陽からの光が注いできた。お〜っ! 何て眩しい。光が一面に降り注がれ、別世界にいるような美しさ。 思わず、手を合わせたくなる。 立ち尽くし、しばらく動けなくなっていた。 心の中で、ありがとうございますと繰り返していた・・・。


 千筋の滝から飛金の流れと続き、九十九島の下流の阿修羅の滝へ。流れが最も急になっていて、写真の絶好ポイント。ここで絵を描いている人がいた。写真よりリアルできれ〜い!(みんな絵をパチリ。笑) 柱状節理の馬門岩と屏風岩の先にある、最後のポイントの石ヶ戸へ。


 説明によると、石ヶ戸は「石でできた小屋」という意味らしく、一枚の大きな岩が桂の木に支えられていた。良く見ると不思議。これも自然の共生共存の姿かしら。(素晴らしい♪) 休憩所の手前は、赤いもみじや紅葉がきれいに残っていて、最後の絶好ポイントになっていた。昨日の白神山地に続いて、美しい景色と天然のマイナスイオンが大噴出の中を、約1時間たっぷりと堪能。 奥入瀬渓流は、私の大好きな場所になったのでした。ガイドさんは、何十回来ても、この景色には飽きることがないそうで、紅葉の時期も美しいけれど、特に5月の新緑が始まった頃もお薦めなのだと言っていた。長い冬が明けて、新しい生命が一気に目覚め始め、お花で一杯になって、それはそれは美しいそうです♪ また、その頃に来たいな〜。 


 出発前に売店で見つけた甘酒が、おいしかった〜。(思わず、みんなに薦めてしまったのでした。^^) この後、おさらいも兼ねてガイドさんの説明を聞きながら、もう一度渓流沿いを戻り、奥入瀬にお別れ。 森の精霊さん達もありがとう♪

 これで、ツアーも完結・・・の予定だったけれど、ガイドさんの計らいで、最後にもう一箇所だけ寄ってくれることになった。
 「予報では雨になっていたのに、夜の間に降ってくれたおかげで、朝から晴れてくれていた。この3日間、通常では考えられないくらいの暖かい日になって(10月上旬の気候だそうです)、このグループは最後までお天気に恵まれ、どこまでも運がいい人たちだなと思った。 そのお天道様の気持ちに応えないと申し訳ない気がしたので、お天道様に感謝する意味で、最後に十和田湖が見渡せる展望台に、是非みなさんを案内したい。・・・」とのことだった。(わ〜い、うれしい!)
 十和田湖の周囲は走っていたものの、道路沿いだと木の間から見え隠れしている状態なのでした。その発荷峠の展望台に行くと、十和田湖全体から、八甲田山系まで、きれいに見渡すことが出来た。十和田湖は、周囲が44kmで三番目に深い湖。一回目が噴火して出来た中に、もう一つ噴火して出来たという2重カルデラ湖。(そして、その湖の中には・・・。^^) 県境に広がっているところといい、この穏やかな美しさといい、日本のティティカカ湖って感じ♪ 十和田神社のある御倉半島も、良く見えていた。朝の素晴らしい時間を思い出し、感謝の光を送った。

 売店ではキリタンポの味噌焼きがあり、即座にゲット。今朝、売店の横を通り過ぎながら、今回は食べれないと諦めていたのに、ちゃんと用意してくれていたのね。(いつもすいませ〜ん。^^) アツアツこんがりで、おいし〜い。食べる前に、携帯カメラで撮っていたら、ガイドさん達にウケてしまった。(笑)


 空港に向かう道で、眠気が襲ってきた。でも、ガイドさんの話が素晴らしいので、何とか聞きたいと睡魔と闘っていた私たち。(^^)
 最後にまた岩手山が姿を見せてくれた。最後の最後まで、お世話になりました。 例によって、何の下調べもしていないので、メインの白神以外はどんなところか予想も付かなかったけど、どこも凄く良かった。熊野から、北海道、東北と続き、3つ連続して同じ旅行会社になっていた。今度の白神ツアーでは、他のところもチェックしてみたけど、やっぱり最初に入ってきた、このツアーが今の私たちにはベストだと感じて決めた。また今回のガイドさんは、最高に良かった。心に残るお話を、たくさんしてくれた。(長くなるので、次のDiaryに書きますね) 
 そうそう、昨日ホテルに向かう時には、またしてもキリストのメッセージが書かれた看板が目に飛び込んでいたのです。そして今朝は、ガイドさんから青森のキリストのお墓についてのお話が出ていた。あの場所も、十和田の近くだったのよね。キリストちゃん・・・☆
 短い旅でしたが、大自然や多くの存在たちに見守られ、導かれた旅でした。この体験と気付き、受け取ったエネルギーを、またこれからに活かしていきたいと思います。
 (みほちゃんのレポートもどうぞ)